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「あ!! メテオラくんが浮気してる!」とマリンの声がする。
「ちょっと! メテオラくん、ニコラスくん。ここは会議室ですよ。場所をわきまえてください!」アネットが言う。
「別に浮気じゃありませんし、場所もわきまえています。これはなんていうか……、友達同士のふれあいのようなものです」
とメテオラは言い訳をしながらシャルロットを離そうとするが、シャルロットはなかなかメテオラの体を離してくれない。
「ふふふ。逃がしませんよ。私は魔法使いを捕まえることは大得意なんです」とシャルロットが言う。
ニコラスは抵抗らしい抵抗はしない。諦めの境地にはいっている。
そんなメテオラたちに構わずにアネットとマリンはいつもの自分の時間の席に腰を下ろした。
「シャルロット。そろそろおやめなさい」アネットが言う。
「はい。わかりました。アネット姫さま」
シャルロットはそう言って、ようやく二人から離れると、とても満足したような表情をして、自分の席に笑顔で戻っていく。
居眠りをしているマシューを加えると、これで六人が円形のテーブルのところに集合したことになる。
それからみんなはシャルロットが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、まだもう少しだけ残っていたテーブルの上の料理を食べ始める。
「メテオラくん。今のこと、マグ先生にちゃんと報告しますからね」とメテオラのことをじーっと見ながら、アネットが言う。
「それだけは本当に勘弁してください」とメテオラは言う。
「じゃあ、クッキーとってください」
とアネットが言ったので、メテオラはそっとクッキーの乗った大皿をアネットの席のほうに移動させた。
テーブルの上にある三つの大皿の中身は、それからすぐに、全部きれいさっぱりとお皿の上からなくなってしまった。
「ごちそうさまでした」
とメテオラたちは揃って言って、食事を終える。
それからみんなで協力して食事のあと片付けをして、それが終わって、ほっと一息ついたところで時計を見ると、時刻はちょうど作戦開始時間の八時になった。
あらかじめ仕掛けがしてあったのか、時計からぽーん、ぽーんという小さな音が鳴る。
その音を聞いて、ぱちっとマシューが目を覚ました。
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