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メテオラは一応、今日はいろんなことがあったのでそれを整理したいと考えていたのだけど、メテオラたちの話はすぐに関係のない話題にばかり飛んでしまった。
それだけ、この時間が楽しかったということだろう。
それから少しして、おしゃべりを切り上げた三人は家路についた。
アネットは魔法学校の中に、ニコラスとは帰り道の途中にある大きな岩のある分かれ道のところで、さよならをした。
メテオラはそのまま家には帰らずに、家の近くの湖の畔りにある秘密の練習場に行って、そこで辺りが暗くなるまで空を飛ぶ魔法の練習をした。
光を灯す魔法具の明かりだけが、闇の中で揺れている。
くたくたになったメテオラは誰もいない自分の家に向かって帰路に着いた。空ではとても大きな月が出ている。夜にしては明るいとはいえ、さすがに月明かりでは読書はできない。だからメテオラはそんな月を見上げながら、夜道を歩いていくことにした。
長老の木の根元までたどり着くと、長い梯子を上る前に、メテオラは上を見上げて家の様子を確認した。
そこには二件の家がある。
マグお姉ちゃんの家と、今は僕が一人で留守を預かっているソマリお兄ちゃんの家だ。
マグお姉ちゃんの家は真っ暗だった。まだ仕事をしているのだろう。それはメテオラの予想通りだった。
でもなぜか、隣のメテオラの家にはぼんやりと明かりが灯っていた。それはメテオラの予想外の出来事だった。
泥棒……、ではない。
魔法使いは人間のように泥棒はしない。魔法の森では幽霊は出ても、泥棒は決して出たりはしないのだ。
では、あの明かりの正体はなんだろう?
誰が、あの家の中にいるのだろう?
メテオラの胸がどくんと一度、高鳴った。気分が高調し、それからみるみる力が身体中に湧いてくる。メテオラは急いで梯子を上り始める。
息を切らして、家の前までたどり着いたメテオラは、呼吸を整えてから、とんとんとドアを軽くノックしてみた。
「どうぞ」
という優しい声が返ってくる。
メテオラはドアを開けて家の中を覗き込む。
……するとそこには真っ白なエプロンをつけて晩ごはんの準備をしている、約三ヶ月ぶりに見る、笑顔のソマリお兄ちゃんが立っていた。
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