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「ねえ、アネットさん。全教室自習ってことは、先生たち全員に緊急の用事ができたってことだよね? それってつまり今朝の警報騒ぎとなにか関係があるってことなんじゃないかな?」

「ニコラスくん、鋭い! 実は私もそう思っていたんです」

 アネットはニコラスの質問に答える。

「それでですね、リデルちゃんによると生徒は全員自習なんですけど、いい機会だから一度、今年の見習い魔法使い卒業試験を受ける生徒だけで集まって、自己紹介や情報交換をしないかって、太陽組のマシューくんという男性の生徒から話を持ちかけられたらしいんですよ。みんなで『地下の図書館』に自習という名目で集まって親睦を深めようってことです。月組の三人はそれを承諾したみたいです。それで私たちにどうしますか、ってことらしいですね」

 そこまで説明してからアネットはなぜかメテオラの顔をじっと見つめた。

 同じく隣の席に座っているニコラスも、なぜかメテオラの顔をじっと見つめる。

「どうしますか、メテオラくん?」

「どうするの、メテオラくん?」

 二人はメテオラにそう質問する。それでメテオラはとても困ってしまった。

「……あの、どうしてお二人とも、僕にどうするかを聞いているんですか?」

 メテオラは二人にそう問いかける。

「どうしてって僕たちの教室のリーダーはメテオラくんじゃないか。だからだよ」とニコラスはそれが当たり前であるかのようにそう言った。

「そんな話は聞いていません」

「そんなことないですよ。私たちのリーダーはメテオラくんです。ニコラスくんじゃ頼りないじゃないですか」とアネットはさりげなくニコラスにひどいことを言っている。

 ニコラスも、え? という顔をしていて、それなりにショックを受けているようだった。

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