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モリー先生はいろいろと、とても変わった先生で、魔法学校の生徒たちの間でもよく噂になっていた。
口調が単調で平坦、それでいて表情もあまり変化しない無表情。実力はもちろん本物で魔法の教えかたも上手なのだけど、どこか冷たい印象を受ける。淡々と授業をこなしていくだけだ。
喜怒哀楽をあまり表に出さず、人形のようだという魔法使いもいた。
……少し僕に似ているな、と勝手にメテオラはそう思って、モリー先生に憧れたりもしていた。
マグお姉ちゃんと違って、どこかモリー先生は『メテオラの生きる道の延長線上にいる人物』のような気がしていたのだ。……もちろんその距離はとても遠いのだけど。
モリー先生の本当の変わった特徴はその内面よりも外見にあった。
銀色に輝く髪と、魔法の森の温泉に浸かって、ほんのりと赤く染まっている、比喩ではなく、本当に白い色をした色素を失った肌の色。
モリー先生は魔法の森に住むたくさんの魔法使いたちの中でもただ一人の、純潔の『銀の民』と呼ばれる一族の生き残りだった。
銀の民は黄金の民と敵対した魔法使いの一族で、アスファロットの厄災のとき、森の魔法使いの側ではなく、アスファロットの側についた一族だった。その結果、純潔の銀の民はモリー先生を残して滅亡した……らしい。
混血児の銀の民は数人、生き残っているらしいが、メオテラは混血の銀の民を一人しか知らなかった。
なぜモリー先生だけが生き残り、今こうして魔法学校で先生をしているのか、メテオラは知らないし、聞いてはいけないことだと思っていた。銀の民、アスファロットという言葉ができるたびに、モリー先生が悲しい顔をするのをメテオラは知っていたからだ。
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