そして0になる
流行りに乗れない。
ラノベは書けない。
じゃあ何を書くのか?
僕は『竜斬の理』を書いていた頃を思い返してみた。
竜斬は「巨大な竜を手術する」という僕自身最高のアイデアを最大限に面白くするためにずっと転がし続けてプロットを練り上げた。
書く段になってもその熱量は下がらなかった。
むしろ、こんなに素晴らしいアイデアを思いついた限りには、死ぬまでにちゃんと書き上げて形にしなきゃいけないという使命感さえ持っていた。
僕が小説を書くためには、執筆の熱量を継続させられるだけの抜群のアイデアが必要だったのだ。それも、既存のライトノベルをふっとばせるぐらいの極上のやつが。
だから僕は、自分の脳みそに賭けることにした。
僕の脳みそは相当にポンコツではあるのだが、ごくごく稀にめちゃくちゃ面白いアイデアを生み出してくれる時がある。竜斬しかり、TRPGのシナリオしかり。
僕はそれに賭けようと思った。
どうせ時流に乗れないのなら、やりたいことをやるしかない。
自分が心底面白いと思えるもので勝負するしかない。
そのためのアイデアが出てくるまで、脳みそをぐるぐると回し続けるしかない。
言ってしまえば、これはガチャなのだ。
自分というガチャ。俺ガチャだ。
ならば良い物が出るまでひたすら回し続けるのみ。
幸運なことに僕の脳みそはずっと僕の物なので、いくら回してもコストはかからない。ほんのちょっとの労力だけで無尽蔵に回し続けることが出来る。
そう考えることで僕はようやく『こちら異世界放送局』のアイデアを頭の中から完全に廃棄することができた。
そして0になった。
ははは、最高じゃないか。
ここからがスタートだ。
そして僕は毎日毎日、俺ガチャを回しては使えないアイデアを捨て続けた。
そして最初の“当たり”は……それはまた、次項で。
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