限られた散歩


この町を安全に散歩するには許可証が必要だった

そいつが無いと何処へも行けない

それを役人に見せてようやく決められた場所へしか行くことが出来ないのだ

それはもはや散歩とは呼べないだろう

けれど仕方ない

この町はもうあの頃みたいではない

何もかもが変わってしまった

大切な人は皆、早くに先立ったが

それで良かったのかもしれない

きっと生きていけなかっただろうこんな世界では


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