笑いの神様


おれは

神様に焼きおにぎりを与えた

神様は無言で

おれから焼きおにぎりを受け取った

そしてそれを頬張った

おれはとても良い気分だった

何故なら神様がおれの与えた焼きおにぎりを美味しそうに食べたから

神様のもぐもぐ

それを形容するのはひどく難しい

ふと疑問がよぎる

(………待てよ)

神様はわざわざおれから焼きおにぎりを貰う必要があるだろうか?

勝手に出して食べれば良いではないか

自分の好きな時に

おれは尋ねた

「あんた一体、誰なんだ?」

もしかして神様ではないのか?

神様は焼きおにぎりを頬張る手をぴたりと止めた

そしてこちらを見た

返って来た答えはおれの予想を大きく外れたものだった

「ホーム・レス」

なんだって

おれは驚嘆した

「そんなバナナ………」

渾身の一発ギャグにそのホームレスが爆笑した

おれはにやりと笑った

早速、吉本に入った成果が見られた


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