敵がいた
敵がいた
敵が肺呼吸をしていた
それを許さないとおれたちは断定した
花壇が踏み潰されていた
全部、敵のせいだ
敵に足が生えているのがいけないのだ
仲間がそう言った
おれは頷いた
ただそこにいるだけで敵は悪なのだ
敵を殺した
場所は自分たちの守るべき花壇の上だった
柔らかい土に
靴をずぶずぶと沈めながら
花がでたらめに散っていた
多少の犠牲は敵を殺すためならば仕方のないことだ
やがて目的がずれ始める
いつか最初に思ったことは何だったか曖昧で誰も覚えてはいなかった
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