新社会人


上司から命令された

バナナを買って来い

大至急

「………」

わたしの上司は猿だった

上司に猿を持つと大抵はこんな感じだ

わたしはすっとぼけて「バナナってなんですか?」と訊いたら

どうやら大物だと思われたらしく

猿のみで構成される筈の重役会議に半ば強制的に参加させられた

バナナオレが振る舞われた

ぐびりとそれを飲む

(わたしは今、何をやっているのだろう?)

働くということの不思議さに尻がそわそわした


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