魔王


魔王が

各地で次々と配下を殺しまくっている勇者一行と

ついに対峙した

魔王は勇者を見た

爛々と輝く目だった

この世界に愛と平和を取り戻すためには何だってやるそうだ

そしてその世界におれたち魔族の吸う酸素は無いのだろう

奴等は人間以外のものを殺すとき躊躇いはしない

おれは魔王だ

何故だか知らないが生まれた時から魔王だったのだ

自分の意思で選んだわけではない

だがそんなこと今更、考えたって無駄だろう

結局、自分たちが支配していた領域などほんの僅かなものでしかなかったわけだ

勇者一行が目の前に立ちはだかった

こうなることはわかっていた

四対一か

(何も考えるな)

魔王はゆっくりと台座から立ち上がった

この世界が狂っていることは最初から知っていた


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