花売り


花屋の前に立ち尽くす

少女

何かが

とてもすり減っている様子

すぐ目の前の道路を

車が通り過ぎた

目的地はここではないらしい

排気を浴びせられる花売りと花

わたしは毎朝

この道を通っているのだが

今まで少女が客に花を手渡している姿を見たことが無い

この街には

わざわざ金を払ってまで花を欲しがる人間などいないのだ

少女は

もっと早く気付くべきだった

まだ何かを期待しているのかもしれない

少女はどうして花屋になろうと思ったのだろう?

今朝も微動だにせず店の前で突っ立っていた

客は来ない

永遠に来ない

その光景を眺めていると死にたくなってくる


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