主のいない部屋
誰もいない
部屋に
風が
入って来た
カーテンが
蠢くように
揺れた
風は
探し物が見つからなかったようで
また
すぐに
反対の窓から出て行った
この部屋の住人は
遠く旅に出たまま
帰って来ることはなかった
机や
ベッドはそのままだった
まるで昨日の事のように感じられた
この部屋に誰かがいた事が
風が
間違えたのも無理はなかった
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