こたつ
「ふざけないでよね。急に叫んだりしてさ」
涼音は呆れながら、こたつ布団をめくって中を見た。ところが浩太の姿はなかった。確実にこたつに潜り込んだはずだった。それなのに浩太の姿は見当たらなかった。
訳が分からず、涼音は混乱した。顔を上げて部屋を見渡したが、浩太の姿は見当たらない。もう一度こたつの中を覗き込んだ瞬間、足を掴まれた。まるで万力に締め付けられているかのようだった。
涼音は慌てて足の方を見たが、そこには誰もいなかった。けれど足を掴まれている感覚はあった。姿が見えない何かに足を掴まれているようだった。
「や、やめて! 離して!」
涼音はどこにいるかも分からない何かに向かって叫んだ。何かは涼音をこたつの中に引きずり込んでいく。こたつの中に引きずり込まれた涼音の姿はもう見当たらなかった。
それから数時間後、仕事を終えて帰宅した両親は涼音と浩太がいないことに気付き、すぐに警察に捜索願を出した。
そして――両親も行方不明になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます