蟻
「はぁ~」
私は思わずため息をついてしまった。ここ最近、蟻が我が物顔で家中を闊歩している。捕まえるのが大変だ。いつ発見してもいいように、ティッシュを肌身離さず持っている。
「……君たちのせいで私の時間が奪われているんだよ? そのこと、ちゃんと分かってるの? 君たちのために時間を割いている私の身にもなってほしいよ」
テーブルの上を這っている蟻を捕まえながら、私は愚痴をこぼさずにはいられなかった。
まだいるかもしれない。私は辺りを見渡し、蟻がいないかを確認する。床を数匹の蟻が這っていた。どんよりとした気分で蟻をティッシュで捕まえた。
「……喉が渇いた。コーヒーでも飲もう」
私は棚からコーヒーの粉とミルクを取り出した。そして砂糖を取り出そうと引き出しを開け、私は思わず固まってしまった。
砂糖に
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