第弐回 磨りガラス
もう一度初めからですか? はいでは、
私は最近、不健康な生活ばかり送っているせいか夜中に起きることが多くなったのですが、二度寝しようとしても眠気が全く無く、起きっぱなしで朝を迎えることがほとんどだったんです。
暇潰しにゲームや本を読んだりするのが最近の日課になっていて、この日もそうでした。
あの日はほうじ茶を飲みながら数年前に読んだ小説を読み返しているところでした。ちょうど日をまたいだあたりで、尿意に襲われたんです。
私の部屋は二階にありトイレは一階のお風呂の隣、つまり私の部屋から一番遠い位置にあり、
私は、いちいちそこまで行くのが面倒くさくて、水分補給は控えていたのですが、この日はたまたまほうじ茶を飲みたいの気分で。
私は、しょうがなく重い腰を上げ一階に降り、廊下の電気をつけ、トイレで用を足しました。
手を洗い帰ろうとしたとき、視界の端に見える風呂場の磨りガラスを見て、私は凍り付いたんです。
ソレ ははっきりと言えます足でした、人の足が見えたんです。
私は誰か風呂に入っているのだろうなんて、考えもしませんでした。
だって風呂場の電気は消えていて、扉が開け放たれた脱衣所には服一つないですし、そんな状況で中にいる ソレ が人だなんて考えるわけないでしょ?!
明らかにおかしすぎる。それだけは確かです、私はすぐにその場を離れようとしました、でも体が言うことを聞いてくれなかったんです。
用を足していなかったら、たぶん漏らしてましたね。
おっと、失礼
よく恐怖心で体が動かなくなるとかわ聞きますけど、初めてなったことなのでよく分からないです。
それでその時、私は何をトチ狂ったか、足の主の顔を見ようと目線をずらしてしたんです。
ほら、あれですよ!ホラー映画とかで、「なんで見るんだよ!」だなんて思うシーン
あるじゃないですか、自分がしてしまうだなんて思ってもみませんでしたけどね。
ああ、そんで少しづつ目線を上にずらしていったんです。
後悔しましたよ。
そこには、 「足」 それだけなんですから、胴体も手も顔も足の他には何も無いんです!。
なんていうか、白い長靴が置いてあるイメージです!
え?台無しですか?
まあ、それは置いといて、
最初は暗くて、見えないだけなんじゃないかって頭の中で自分を安心させるために逃げ道も探したんですが、風呂場はそんなに広いわけでもないし、廊下からの明かりも入っているんですよ
何しろその「足」は、磨りガラスの真ん前にあってはっきり映ってるんですから!
その状況を理解しようとして頭がパンクしましたね!
ああ、気絶したってことです!
そんでそのあと、同居している母の声で目を覚ましたんです。
どうやら夢とかではないようで、しっかり私は風呂場の前に倒れてたんです!
ほらーですよね!!
母にも状況を話したんですが「寝ぼけてたんじゃないの?」なんて言われ流されてしまって。
ほんと怖かったですよー!
あっ、そういえば
「さっきからドアの向こうに立っている人は入ってこないんですか?」
終わり
【解説】
ちょっと長かったですがいかがでしたでしょうか?風呂場ってホラーでは、定番ですよね、ですが今回は磨りガラスを中心に置いた場化物を作ってみました。では、解説に移りましょう。
<場化物ネーム>
恥ずかしがり屋のバラバラさん 又は 内原さん
<出現場所>
磨りガラスの嵌められた扉の向こう側
(磨りガラスを見る対象の位置と逆側)
<出現時間>
午前1時~4時
<見た目>
磨りガラスのある位置によって変わる。高い位置にあれば頭、真ん中あたりにあれば胴体または、手、下にあれば足、すべてが磨りガラスでできた扉の場合は、足から太ももあたりまでの姿となる。すべて揃った状態では、現れない。
磨りガラス越しには、部位が足りない以外はいたって普通で、顔の場合は、はっきりとは、わからない。
<行動>
必ず磨りガラスのある扉の後ろに現れ、特に歩いたり笑ったり、何かするといったことはない。ほとんどの場合、脅かすためだけにやっているようにも思える。
もし後ろから回り込んで覗いたり。扉を開けた場合その人物は、磨りガラスの後ろに現れていた部位と同じ部位だけを残し消えてしまう。
カメラを仕掛けていても、カメラには何も録画することができず。どのように消えているかまでは、わからない。
<想定被害者数>
一部発見 12人 行方不明者数 ■■人
【最後に】
どうでしたか?楽しんでいただけたでしょうか?私は書いてて楽しいですが、いざ書いてみると、場所は違えど同じモノに恐怖を抱いていることに気が付きました。もしかしたら同じ場所やモノで別な場化物を作るかもしれません。まあ思いついたらですが、それでは今回はここまで。
あなたの近くにいつも恐怖がありますように。
NO.002 「恥ずかしがり屋のバラバラさん」
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