クラスメイト達が異世界召喚されたらしいので返り討ちにします!

@Fuka_A

第1話 彼女はこうして転生する


「んぅ..........」


眼が覚めるとそこは森の中。森の木々は風邪と踊りそれに合わせて生き物が歌を歌う。そんな森の中に私、冬雛 雪はいた。


私はそれなりに頑張ったと思う。


冬雛 雪は裕福な家庭に生まれ、お金に困る事は無く、外見も美形だった。勉強にも真面目に励んで、友達関係も良好だった。そう。〈だった〉のだ。


その容姿、家庭環境、学力を妬み彼女は学校のクラス内からいじめを受けるようになった。最初は周りから変な目で見らたり避けられたりする程度の可愛いものだった。しかしそれもエスカレートして行き、上履きは男子生徒の精液まみれになってたり、女子トイレに連れ込まれ蹴られたり殴られたりの暴力を女子生徒達から受け、その度に近所の公園の高台で泣きながら空に向かって独り言をつぶやく。そして落ち着いたら家に帰ると言うのが彼女のいじめを受けた日のルーティンだった。

彼女の家は裕福だったが忙しく、父は仕事で夜遅くまで帰ってこれず、母は家事やら何やらで息抜きの時間があまりない。その様な中で彼女は迷惑はかけてはいけないと思いいじめの事を言うことが出来なかった。


そしてある日事は起こった。


トイレで暴力を受け全身痣だらけとなった彼女はいつも通り高台に逃げ、涙を流しながら空へ呟く。体全体に鈍い痛みや鋭い痛みが突き刺さる。その痛みはもはやここで死ぬ方が楽なのではないのかと思えるくらいの痛みであり、彼女の心にも突き刺さっていた。


「なんで私なの?..........何がいけないの?..........ヒック..........痛いしもうやだぁ..........誰か.....助けてよ..........」

溢れる涙が止まらない。今鏡を見れば目を真っ赤にして顔面傷だらけの痛々しい少女となっているだろう。


「じゃあ俺たちが助けてあげるよぉ〜」

後ろからネットリとした声をかけられその方を振り返る。振り返るとクラスの男子二人が口元をニヤッとつりあげ立っている。そして私の腕を力強く掴み前から絡む様に抱きつく。


「いじめられてるんだろぉ?気持ちも身体も楽にしてあげるよぉ〜ギャヒャヒャ!!」

その汚く弄ぶような声、言葉で彼女の身体を撫でるように触る。


この時彼女は自分がどんなことをされるか嫌でも悟ってしまった。そして彼女は抱きつく男の耳を噛み、力の限りを尽くしふりほどき離れたその瞬間


その勢いで足を踏み外し高台から落ちてしまった。


体が浮き、ぐわんと視点が逆さまになった。

一瞬何が起きたかわからなかった彼女は自分の体が逆さまに自由落下していくのを感じ理解した。


自分は死ぬだろう。


それを理解すると同時に目の前で様々な思い出が蘇る。


家族に撫でなれている私。

多分これは初めてテストで100点とった時のことだろうか?懐かしいなぁ..........


初めて友達ができて嬉し恥ずかしい私。

小学校の入学式だったかな?あの時は楽しかったなぁ..........


数々の思い出がフラッシュバックして行く中でとある記憶が蘇る。


殴られ蹴られて痣だらけになる私。

..........これも思い出かぁ..........


こう現象は確か走馬灯と呼ばれるものだろうか、これから私は死んじゃうのか.....ちょっと怖いな.....だけどもう仕方ないよね。


「ママ、パパ、こんな子供でごめんなさい..........」


それが最初さいごの言葉だった。

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