本とは、魔法書である。


なぜなら、現実で経験した事のない経験でも、本とりわけ小説を読むと経験した気分になれる。


そして、その本の中でも知識が現実世界とつながるときに、最もたやすく知識を得ることができる。


例を挙げるとすれば、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』だ。


この小説は、シンプルなプロットで構成された中に、「鯨学」とも呼ぶべき、鯨の生態や捕鯨に関する膨大な知識が挿入されている。


そして、この小説は実体験をもとに作成されている。


この小説を読むと、さながら捕鯨に参加したことでもあるかのように捕鯨についての小話ができ、「大変だったところは?」と聞かれれば、棺桶を改造した救命ブイに捕まったところとでも回答できる。


このように実体験していないのにしたように感じ、多くの雑学、知識を得る事のできるツールは本以外には魔法しかない。


昔から、言霊、文字霊などと呼ばれ、文字には不思議な力が宿るとされてきた。


現代社会において、魔法の存在は証明されていないが、もしも魔法というものが存在するのであれば、それは本なのかもしれない。


『文字には魔力が宿る。』

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