第6話
○白状
倉本と中田はどうすれば犯人を捕まえてられるか考えた。関村と同じ職場で働いていて、B型で、確かに近衛は1番あやしい。でも、中々容疑を認めてくれない。その時、倉本は「じゃあ」とひらめいたかのように言う。「もう一度行こう」と。「またですか」と近衛。倉本は「あなた本当は梁塵秘抄を返してもらいたかった」と。そしたら「ここで働いていますから」と近衛。倉本は「もしかして梁塵秘抄を返してもらいたくて殺したとか」と。すると、「馬鹿にするな。そんな単純な理由で殺人など犯さないぞ」近衛は怒った。「しかし、ありえそうなんですよ。ここに来る前、密林殺人事件の目撃者にききこみをしたところ、あなたみたいな人がいた…と」と倉本。「それは人違いだ」という近衛。「でも、事実ですよ。しかも、梁塵秘抄を返してくれと言っても返してもらえなかったという事は、復讐が考えられますね。中々返してもらえないから…との理由で」と倉本。そしたら「それじゃあ、奪い返すためじゃない」と中田。「そうか…」と頷く倉本は「失礼」と言い、「でもあなたは関村さんを殺してもおかしくない存在だ。梁塵秘抄を返してもらえないから…、違いますか?密林殺人事件の目撃者はあなたみたいな人を目撃しています。あなたB型と言いましたが、念の為調べますか」と言った。そしたら「後白河法皇殺人事件って関村さんが言ってましたよ。あの時私は、仕事が終わってからコンビニに行きました。そこで関村さんを見かけて。お仕事お疲れ様ですって声をかけたらどうもって。同じ事言うのやめた方がいいと思ってましたが、一応言いました。梁塵秘抄のことなんですけどって。そしたら外に出ようつて言われて。コンビニの近くに密林があるのですが、そのそばまで行きました。まだ研究中だと言っていて、でも梁塵秘抄は展示物なので、返してもらわないといけない物です。なので、そこをなんとかと言ったのでしたが、何回同じ事を言うのだ。研究中なんだよと。私は頭にきて、返してくれないとこのコンクリートで…、と脅しました。コンビニの駐車場にあったコンクリートです。そしたら、ハハハ、やれるものならやれ。しかし、私の方がおまえより上だよな、と。それで、もう頭にきて。そして、そのコンクリートでなぐり殺しました。そうだ、コンクリートで殺そうとした時、梁塵秘抄はここにある。まだ、研究中だから無理だが。しかし、ここであなたが私を殺すとなると、梁塵秘抄を持っていてそれを研究している私が死ぬのだから梁塵秘抄を自ら編さんした後白河法皇も死ぬという事になり、後白河法皇殺人事件になるぞと関村さんは言ってました。」
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