第23話
いきなりドアが開いた。琴音は慌てて目を閉じ、寝たふりをした。犯人が入って来たのだ。一体何をするのだろう。ただの確認だろうか。それとも…そこまで考えて、琴音は思い出した。琴美が気付いた、外の騒がしさに。もしかして。琴音は考えた。警察が来たのか。いや、期待してはいけないってママに言われた。期待はほとんど現実に消されると。琴音はその時はまだ何のことか分からなかったが、今なら分かる。一歩一歩確実に、犯人の足音が大きくなり、ピタッと止まったと思いきや、何かを探すように手探りをするのが気配で分かった。もしかして。琴音は気配で悟った。何か隠してるものがあるのか、犯人が確認に来たことに。琴音は寝返りを打つふりをしながら、グミを体の下に隠す。気配で感じながら、あくまでも自然に犯人の手にグミを渡させないよう必死で隠した。グミが見つかってしまえば、間違えなく琴美を救う事はまず不可能だ。そして、私が助かるかも難しいだろう。琴音はグミが見つからないのを願うしかなかった。
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