第6話

「三須くん」

「チェーン買って帰ってもいい?」

「わかった」

俺たちは店に寄った

立花はチェーンを取りレジに向かった

「三須くんおまたせ」

「帰るか」

帰ろうとした瞬間

「待って三須くん」

「次は何だ」

「立花、旅行に着て行く服が欲しい」

「そんなの違う日に1人で来ればいいだろ」

「立花は、三須くんとお揃いの服が欲しいの!」

お揃いとか女子かよ

「わかったよ」

「ありがとう三須くん」

俺たちは服を選びに違う店に行った

「この服はどうだ?」

「ダサいよ」

「じゃあこの服は?」

「立花の趣味じゃない」

「ならこれはどうだ!」

「もしかして、三須くんセンスないの?」

待て待て待て、お前がお揃いがいいなんて言ったんだろ

なんでどれもダメなんだよ

「じゃあどれならいいんだよ」

「立花これがいいな!」

クマのワンポイントがついたTシャツだ

「お前もセンスねーじゃん」

「三須くんよりかはセンスあるよ!」

口を膨らませながら言ってきた

「選ぶの疲れたからそれでいいよ」

「じゃあ決まりね」

服を買い店を後にした

「早く旅行行きたいな」

「一週間なんてあっという間だろ」

「そうだね」

たわいもない会話をしながらあるいて帰った

「じゃあまた明日ね」

「また明日」

俺は家に着くなり旅行の準備をした

俺ってなんだかんだ楽しみなんだな我ながら呆れる

立花とのお揃いのTシャツ…。

ちょっと嬉しい

このTシャツ当日着るか翌日着るか…

よし!決めた!最終日に着よう

準備をしていたら母親が珍しく帰ってきた

「あれ?晃家出でもすんの?」

「そうだよって答えたいところだけどちげーよ、一週間後長野に友達と旅行に行くんだよ」

「長野県?懐かしいわね」

「なにが懐かしいんだ?」

「覚えてないの?晃が5歳の時おばあちゃんの家で暮らすって言っても3ヶ月だけ住んでたじゃない」

「そんな事もあったな」

「それで埼玉に戻る直前に女の子の事好きになったって言ってきて母さんは告白してきなよって言ったら晃なんて言ったと思う?

俺の大切なペンダントに手紙入れて鍵閉めたからそれで、次会ったら結婚するから今は好きって言わないだって男だから!とか言い出すからお母さん笑い止まらなくてさペンダントとキーおばあちゃんに買ってもらったばっかだったのに」

立花の話と似てる…

「その子の名前覚えてるか?」

「えっと…立花葵ちゃん?だったような、引き出しに写真あったような…あった、あったほらこの子覚えてない?」

その写真には夢に出てきた黒髪ロングで目の色はグレーで白いワンピースを着た女の子が写っていた

「この写真もらってもいいか?」

「いいけど、どうするの?」

「お前には関係ない」

「はいはい」

もしかして、立花は本当は女だったのか

もし、女だとしたらなんで男子の制服着てるんだ嘘までついてなにがしたいんだ

立花は、俺がペンダントの相手だと気付いてこんなことしてるのか

正解はなんだ

一睡も出来ずに朝が来てしまった

母親の話が頭から抜けない

学校に行く準備をしながら立花に問うか問わないか迷っていた

もし、女だとしたら

俺がドキドキしたのもキュンとしたのも全部正常な感情だったんだよな

よし、行くか

学校に向かっていると後ろから声をかけられた

「おはよう三須くん」

「おはよう」

いつも通りに接しろ俺

「明日から夏休みだな」

「立花すごく楽しみ!後、旅行!」

「そうだな」

「大正池で流星見れるといいね」

「あぁ」

「三須くん元気ない?」

「えっ?そんな事ないぞ?」

「そう?」

こいつ察しがいいな

いつあの事を聞こうでも旅行までには聞かないとせっかくの旅行だからモヤモヤの気持ちでは行きたくない

ちゃんと聞かないと

おい俺、なんで旅行当日になってるんだ!過去の俺!なにやってるんだ!あんなに時間はあっただろ!!!

チキン(弱虫)か?チキンなのかお前はぁぁ!!

過去の俺を殴りたい…。

「三須くん!新幹線来たよ!」

「あぁ」

これから俺たちは二泊三日の旅行にいく

次の目標は旅行が終わるまでに聞く事いいな俺、絶対聞けよじゃないと…。俺の気持ちが…。

俺はいつのまにか立花を好きになっていたいつもとなりで笑ってる立花が好きなんだ

それは立花が男でも女でも変わらない

ちゃんと確かめてこの気持ちを伝えたい…

じゃないと俺が納得しない

でも、俺好きな人と二泊三日ひとつ屋根下ふたりきりなんてとんだ恋愛漫画だ

「三須くんのお茶置いておくね」

「ありがとう」

こいつはいたって普通だな

俺はお前の事ばっかり考えてるのに

「立花、旅館着いたら話したい事ある」

「今じゃダメなの?」

「ダメだ、ふたりきりで話したい」

「わかった」

そのあと、かなり沈黙が続いた

旅館に着いたのは夕方だった

駅からバスで1時間の旅館とか遠すぎるだろ

予約したの誰だ?俺だ。

とりあえず、部屋に行くか

部屋に着くなり立花が正座し始めた

「立花?なんで正座してるんだ?

「大切な話の時は正座ってお母さんに教えてもらったから」

「じゃあ、俺も?」

「三須くんも正座」

俺は立花と向かい合うように正座した

「大切な話ってなに?」

「えっとな、俺の勘違いなら悪いんだけど立花、お前女なのか?」

「えっ…」

立花の顔が青くなってる

「俺の勝手な推理で申し訳ない、もしお前が女でそして昔から好きな男の子が俺だとしたらお前は俺に近づくために男のふりをしてるんじゃないのかっていうのが俺の推理なんだ、あと、この写真を見てくれ」

俺は母親からもらった写真を立花に見せた

「この女の子お前だろ?」

立花は無言だった

「もし俺の推理が図星だったならお前最低だな」

すると立花が急に立ち上がり走って行った

「おい待て!立花!どこに行くんだ!」

追いかけたが見失った

「どこに行ったんだ…立花」

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