第4話
「おい、そろそろ授業終わるぞ」
…
「聞いてんのか?立花」
…
俺は寝て居た身体を起こし立花の方を見た
寝てんのかい!
がっつり寝てるすやすやと気持ちよさそうに
腹が立つな
「ん、んー。」
立花の声が少し聞こえた
「起きろって」
「ふぁ〜おはよう…三須くん」
微笑みながら言ってきた
なんか、可愛いかも…
じゃなくて!
「おはようじゃねぇよ。まったく3時間目始まるぞ」
そう言いながら俺は無意識に立花の髪を撫でて居た
!?!?!?!
「え、あ、その、えーとこれは俺犬飼っててなんっつてーあはは」
俺は目を逸らしたが立花の顔がすごくすごく赤くなっているのがわかる
そんなに嫌だったか?
「三須くん…」
「はっはいッッ!」
声が裏返った
「立花、三須くんの犬に似てるの?」
だから、その上目使いやめろと1億回言った気がするんだがッ!
「違うよ、昔飼ってた犬に(嘘)似てただけだ」
「なんだ!立花少しドキドキしちゃった」
ドキドキしただと?こんな、ぼっちでモテなくて貧乏で親居なくて…。なんか自分で考えておきながらすごく悲しくなる
「立花ね、男の人に撫でられるなんて初めてで…三須くんに初めて取られちゃったな〜」
はい!そこ!そこの君!顔が女みたいだからってそんなビッチみたいな言葉使わない!
そっち系の男なら必ずお前にキュンとするぞ!
俺もちょっとキュンしたけど…
「まず、男が男に初めて取られたなんてこの世に存在しないんだよ」
「えーそうなの?」
「そうなの」
いちいち言葉と行動が女みたいなんだよな
「ほら、教室戻るぞ」
「わかった」
俺たちは教室へ戻った
教室に戻った途端にクラスの女子たちが立花の方へ寄って行った
「葵ちゃん体育出なかったの?」
葵ちゃん?気持ち悪いあだ名つけられてるんだな
「ちょっとお腹痛くなって保健室行ってたんだ」
こいつも嘘つくんだな
「えぇー!大丈夫?薬あげようか?」
「まだ学校来て全然経ってないのに良く保健室の場所わかったね!うちの学校って何だかんだ広いからさ場所とか入学したての時わかんなかったんだよね」
そう、俺の学校はアホみたいに広い。
他の学科あるからな、ひと学年でも千人はいるんじゃないか?
卒業式なのにはじめましてなんて良くある事
人が多すぎて先輩の卒業式に出られないとか全校集会は全員集まるのに30分くらいは余裕でかかる
「それは、三須くんに教えてもらって先生いなかったから三須くんがずっと一緒にいてくれたんだよ」
「あぁ、だから三須もいなかったのか」
「立花、先生のところ行かないとだからこれで失礼するね」
「うん!」
「三須くん、おまたせ!」
「別に待ってねぇーよ」
「素直じゃないなぁ」
さて、なんて先生に言い訳するかな
単刀直入にサボりましたなんて言ったら普通に怒られる、保健室でサボりましただともし保健の先生がいたら保健室にいなかった事がバレて怒られる…。
「立花、先生に何て言うんだ?」
「保健室行ってましたって」
「でも、保健の先生が保健室にいたら俺たちが保健室にいたって事証明できないぞ」
「保健、保健ってうるさいなー」
悪かったな、保健保健ってうるさくて
「大丈夫だよ、三須くん今日保健の先生出張だから」
「それを早く言えよ」
「ごめんね、知ってるかと思って。怒らせちゃったかな?」
その上目使いもう慣れた気がするでも少しドキドキするんだよな
「怒ってねーし、早く先生のとこ行くぞ」
「うん!」
体育の先生は高杉先生だ、あんまり怒りはしないがサボりや仮病にはとにかく厳しい
「失礼します、高杉先生はいらっしゃいますか?」
「どうした?立花、さっき見かけなかったぞ後、三須も」
後扱いですか、そーですか
「先生すいません…立花、お腹が痛くて保健室探してたんですけど見つからなくて隣の席の三須くんに案内してもらったんですが保健室の先生いなくて三須くんが一緒に居てくれたんです」
「そうだったのか、それじゃあ仕方がないな。三須も友達思いだな」
「転校生だから案内するのは当たり前っス」
「次からは他の友達に保健室に行くとか言ってから保健室行けよ」
「はい、すみません」
良く、サボりをうまく誤魔化したな
あの高杉だぞ?
こいつ頭の回転がいいのか?
「三須くん行こっか」
「あぁ」
「ねぇねぇ!三須くん」
「なんだよ、またサボりたいとか言うなよ」
「違うよ!三須くんは夏休みどうするのかな?って」
そういえばもうすぐ夏休みだな
高校最後の夏と言えば、海、花火、祭り、彼女ってどれも俺には当てはまらねぇーやつばっかだ
夏なんてくるなアホが
「俺は、適当に過ごす」
「高校最後の夏休みだよ!?適当じゃだめ!!」
「じゃあどうしろって言うんだよ」
「だから、、」
もじもじすんな
「立花とぉ」
早く言えよ
「立花と遊ぼうよ」
でたよ上目使い
「わかったわかった、ちゃんと予定空けておけよ」
「本当に!じゃあ立花!ここに行きたい!」
立花がスマホを見せてきたそこには長野県のとある場所だった
「泊まるのか?」
「もちのろんだよ!三須くん!お泊り旅行!」
そんな青春みたいなの事今更俺にはできるのか
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