第28話

「げ……

 池宮だ……」



グループの一人が、そう言ってため息をついた。



「お前ら、散れ!」



池宮君が、怒鳴った。

みんなその声に、驚いて教室から出て行った。

しかし、岡村だけは、その場に留まった。



「みんな、情けなさ過ぎだぞ!」



岡村は、そう言って池宮君に殴りかかった。

しかし、池宮君は、その攻撃を避けた。

避けるついでに足をかけたのか、岡村が派手に転んだ。



クラスから失笑が、聞こえた。



岡村は、それに腹を立て、失笑した人に向かって椅子を投げた。

投げられた椅子は、その子に当たる事なく、池宮君が椅子の足を掴んだ。



「おいおい。

 モノを投げるのは、ルール違反だぞ?」



池宮君は、余裕を見せて笑った。

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