40.結実

樹下に

サッカーボールになって

座る

空気を読んで

交換

する風 緑の

イーゼル 果肉の順列

に焦がれた火口が

まにあえず咲く まにあえず

空虚を

かまえた


少年の脚であった

生まれたことの

先端

泣いている


花はこない

奏でられない旋律しか

なくて タクト 透明な

海流の指標はむなしく

まなさ す

生成 空白

緑をなくしたイーゼル

神獣が群れ殺到しているが

空白 たった一頭で

結実する

今日へと転がり出たサッカーボールだった

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