奥野と松尾の日常

瓢箪独楽

第1話 無意味

「なぁ細道、お前のモットーってさぁ……」


「無意味な物は一つもない」


「そうそう、それそれ。それが間違いだと証明するために、お前にこのプレゼントをやるよ」


「プレゼント? ん………… なんだこれ、ただの紙屑じゃないか」


「そうだぜ、どーよ。そいつぁ間違いなく無意味な物だろーが」


「ふむ……」


「かっかっか! 分かったか? 無意味な物は存在す――」


「これ、君の十点のテストじゃないか」


「ギクッ」


「ああ、そういう事。じゃぁこいつは君のお父さんに見てもらおうか」


「いやぁぁぁっ!! すいませんでした! 親父にだけは、親父にだけはぁ……!」


「無意味な物を送りつけようとする奴に反撃する紙屑。そら無意味じゃなかった」


「ああ…… もうそれでいい……」

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