第8話.少年の正体と、いつもの朝

―そして、情景は戻り、霧河の自宅・・・―






〝ガバッ〟






「は~、夢か~」そう、今のは夢。


「網田謎留あみだなぞる」は霧河の本名であり、


「霧河竜令 (きりかわりゅうれい)」というのは、実は、偽名である。






そして、


さっきまで見ていた夢は、霧河自身の実体験なのだ。






そう、彼は毎年、クリスマスに、スパイのようなやり方で色んな子供達に


プレゼントを与えているのだ。






これは霧河が毎年、冬に


調査をして、クリスマスに色んな家でプレゼントを渡す


〝サンタクロース〟となるきっかけ、全ての始まりだったのだ。


ちなみに偽名は、万が一何かあって、「クリスマスに色んな家に


サムターン回しなどの


ピッキングで入っている人間がいる」


という事が世間に知られた時にそれが自分だと特定されないようにするために使っている。






もちろん、


前日していた「盗み聞き」による調査も、


クリスマスの夜に色んな子供達にプレゼントを渡すために行っていた事だ。






霧河はリビングへ移動した。テレビを観ながら朝食を食べたり、コーヒーを飲む。

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