第6話.衝撃の真実が!!!

そしてまた、


12月になり、クリスマスが近づいてきた。






その頃、その夫婦の旦那さんの方は仕事で外に出ていたが、おばさんは、


「もうすぐクリスマスだけど、サンタさんから何をもらいたいの?」と謎留に聞いた。






だが謎留は、


「う~ん・・・何かな~、もうサンタさんから何もらっても、すぐに自慢できるお父さんもお母さんもいないしな~。何でも良いや」と、なげやりな事を言った。






おばさんは、


「そうね~、もう、謎留君の両親は、謎留君にプレゼントをあげる事も出来ないしね~」


と、何か寂しがっているような表情で言った。






謎留は、その言葉の意味がどういう事なのか


気になった。






「おばさん、今言った事、一体、どういう事なの!?」と聞いた。


おばさんは、慌てて自分の口を手で抑え、


「しまった!口が滑っちゃった!!」と


思った。謎留は何度も聞いた。






「ねぇ、おばさん!答えてよ!!教えてよ!!何か知ってるんでしょ!?」と、大声で聞いた。






「仕方ないわね~。話すわ」と言って話してくれた。






おばさんの話によれば、


毎年、クリスマスに謎留にクリスマスプレゼントを渡していたのは、実は、


サンタクロースではなく、謎留の父親と母親だったのだ!!


謎留の父親も母親も、サンタクロースの存在を信じている謎留の夢を壊さないようにするために、毎年、謎留に


「クリスマスは毎年、サンタクロースが家に入って、プレゼントをくれる」と嘘をつき、


謎留が「欲しい」と言うモノを毎度用意し、それをクリスマスが来るまで家のどこかに隠して、


謎留が寝ている間の、ちょうどクリスマスの深夜に、枕元にプレゼントを置いていたのだという。


おばさんは、前からその事を本人達から聞いていたので知っていた。






それをおばさんの口から聞いた謎留は、


「サンタクロースは本当はいない」という事実を知ったショック以上に、


自分の夢を壊さないように、毎年、わざわざ嘘をついてバレないように気をつけながら、


密かにプレゼントを用意して、そっと渡してくれていた親の愛情と優しさに感謝、感動し、


嬉しさのあまり、大泣きした。






「あんな高いギターまで・・・!!お父さん・・・お母さん・・・うわあぁぁぁぁぁぁ!!!」と叫んだ。


しかし、もう、この感謝と感動は両親が亡き今、伝える事は出来ない・・・






おばさんは、泣き叫ぶ謎留を抱いて、


優しく背中をさすり、もらい泣きした。


「謎留君のお父さんもお母さんも、本当に


良い人だった・・・謎留君にプレゼントを


あげる事、毎年、楽しそうに話してたわよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る