架空の中にリアルを一匙
先週の『今週はここまで…(*・ω・)ノばいちっ…』へ来たお便り。ペンネーム 鴉 さんから。
『遅れてしまいましたが、文字ラジオお疲れさまでした(^_-)-☆
いつも私の悩みや意見に付き合ってくださってありがとうございます。
京さんのアドバイスや話はいつも勉強になるし、励みになります。
それと、やはり私の作品はきちんと評価されているようでして、『血弾ー真打版』を一か月以上ぶりに更新したら、フォロワーさんが二人読んでくださいました('ω')
気合を入れて書いた甲斐がありました。
この作品はコンテストに出した『血弾ー煉獄版』の別の結末が用意されている作品…‥なんていう用語だったか忘れました(´;ω;`)
この作品は後2話ぐらいで終わりにします、結末はネタバレですが、オリジナルの『血弾』を踏襲して別の結末にしますが、更に陰惨で悲しい結末にしようかと思っております。
出来たら京さんに読んでいただきたいですね、ハイロックさんにも。
戦争物は苦手かもしれませんが、戦争は悲惨なものだと言うメッセージ性を持たせて書きました。
お互い頑張っていきましょう!』
これに対する京丁椎の御返事がこちら。
『さっそく更新された回を読みました。そう言えば読んでいたけど評価をしていなかったことも思い出しました。
戦争物は好きではないのですが、読んだからには評価をします。
ネタバレになりますが、オクタン価とパワーについての説明を入れておくと良いかなと思いました。
米軍が使っている航空燃料のオクタン価と日本軍が使っているものの比較とか、オクタン価の違いによる耐ノック性、耐ノック性を生かしたエンジンの高圧縮化によるパワーアップとかね。
ついでに高圧縮化し過ぎてガスケットを傷めてしまえば戦闘機に使っている素材の悪さや戦況の悪化が強調できるかもと思いました。
オクタン価だけではパワーアップしないんですよ。スーパーカブでもハイコンプピストンがあるんだけど、これはハイオクガソリンと合わせると高価が出るんです。レギュラーだとノッキングを起こしてエンジンを損傷するかもって、まぁ保険的な気がしますが。
ターボでブーストを上げる場合も同じ理由。
実際に日本軍の戦闘機を米軍用の燃料で飛ばしたら大幅に性能が向上したそうなので、旧日本軍は相当粗悪な燃料を使っていたんだと思います。やはり燃料の影響は大きかったのかなと。
あまり多く説明を入れるとくどくなるから少しだけね。
架空の世界だからこそ一匙のリアルを入れると急にリアルになる……と京丁椎は思っております。』
……と言う事で、戦争嫌いの戦闘機好き(と言うか軍用車両も好き)な京丁椎。戦争物に限らず物語の隠し味『架空の世界にリアルを一匙』のお話。
おしゃれイズムってテレビ番組でゲストが所ジョージさんだったんだけど、所さんに詳しい情報通のおじさん(北野武さん)が喋ってました。この二人は凄く仲良しだそうで、北野さんは言いたい放題のハチャメチャな(所さん曰く)嘘八百を喋ってました。ところがね、所さんが言うには『本当の事もちょくちょく入ってる』らしい。まぁ番組の内容は動画なりなんなりで見られるから詳しくは言わないけど、これは北野武のテクニックなんじゃないかと思います。
天皇陛下の在位三〇年の祝辞でもハチャメチャ言ってたけれど、事実とジョークを織り交ぜるとどれが本当でどれが嘘だか分からなくなる。金平糖をもらったのは本当、でもその金平糖を一つ八〇〇円で売ったのかは多分ウソ。でも、本当な気がしませんか? 北野武さんの話を聞いていると本当の事が嘘に思えたり、その逆が有ったりでグイグイ話に引き込まれていく……と思うのは京丁椎だけでしょうか?
例えばだけど、鴉さんの作品でオクタン価について描いてあるんだけど、『オクタン価二〇〇の燃料を入れた』このオクタン価についての説明は省くけど、ここに『オクタン価に合わせて圧縮比を上げて馬力が出るようにした』とすれば分かる人は読めばニヤリとすると思います。
ガソリンの『ハイオク』ってのは『ハイオクタン価』の略です。オクタン価が高いと圧縮比や過給圧を上げたりした場合にノッキングと呼ばれる異常燃焼を防ぐ事が出来ます。オクタン価を上げるとエンジンの中に混合気をドンドン詰め込んで燃やせるからパワーアップするんですね(本当はそんな単純なもんじゃないけど)。ちなみに普通のガソリンのオクタン価は九十八くらい。ハイオクが一〇〇とか一〇三くらいだったかな? そんな二から五の違いで大変化するんですね。飛行機用だと八〇~一三〇(レシプロ機用)だからオクタン価二〇〇ってスゴイよ。
京丁椎が生まれる前はオクタン価を上げるのにガソリンに鉛を入れていたとか。
メカとか専門知識って説明し過ぎはくどくなるんでどこまでやるかって難しいんだけど、『ターボでパワーアップ』よりも『ターボを付けてブースト0.8かけてパワーアップ』とかの方が説得力があるでしょ? 実際はポンとつけてパワーアップなんて無理なんだけどね、でもちょっとだけ虚空の世界に一匙リアルを加えるだけでグッと深みが出ると思いました。
カクヨムで自動車が出てくる小説を読むと『時速三〇〇㎞でドリフト』とか、『チューニングして一〇〇〇馬力』とかよく出て来るんだけど、もうちょっとリアルを入れましょうや。時速三〇〇キロでドリフトとか、一〇〇〇馬力とかね、物語の設定とは言え、そこに至るまでの過程が描かれて無きゃ車の事を全く知らないと思われますぜ。
じゃあ京丁椎がクルマやバイクの事を知ってるかって? 知らん事だらけよ。勉強して実践すればするほど分からん事が増えていきますよ。だからオイル臭くなってガレージ整理したり、自分の車をメンテナンスしたりしています。空いた時間には調べまくりです。それでも本格的なライダーや本職のメカニックからすると稚拙な物しか書けてないと思います。
クルマでお奨めな小説を書かれていると言えば石田さん。
https://kakuyomu.jp/users/ishiyanwrx
この人は競技でやっている人。京丁椎はバンとかトラック・バス方面でのドライバーだったので競技の事は知らないんだよね。だからバトルシーンは苦手だったりします。雪道でカウンターを当てて走ったことは在るけどね。
もしも自動車がメインな作品がありましたら自薦・他薦問いません。読みます。読んだら文字ラジオ内で取り上げます。その代わり評価は四輪駆動車専門誌CCV並みに厳しいです。
バイクに乗る方にはトネコーケン先生やすみこうぴさんお勧めししたいと思います。お世辞無しで面白いです。あと、沙魚人さんのクッチョロシリーズもお勧めです。
話しが横道へ逸れましたが、鴉さんの血弾だってリアルさが入っているから良いんですよ。実際に旧日本軍のガソリンは低品質で低オクタン・低熱価だったと聞きます。米軍がまともな燃料を入れてテストしたらパワーアップしたそうです。だからオクタン価を上げて一矢報いるってのは『有り』だなぁと。まぁ上空一万メートりとかだとオクタン価以外に気圧とか色々有ってターボとか絡んで来るんだけど、そこはブースターで補ってるんだね……おお、いい感じ。そこに原料が……これ以上は止めときましょう。続きはこちらにて。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887080759
さて、ちょっと一服しましょうか。ずいぶん古い映画の曲で申し訳ないけど、日本軍の戦闘機と言えば三菱零式艦上戦闘機、略してゼロ戦でしょう。戦争中で敵性語が禁止されていても『ゼロ戦』は普通に使っていたそうです。厳しい人の前では『零戦』って言わんとアカンかったらしいけどね。
https://www.youtube.com/watch?v=URSU5Z3CaRE
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