第二十四章 森精

第二百四十一話


 シロが俺の横に座る


「カズトさん」


「シロ。身体の力を抜け」


「はい」


 シロの身体を押し倒す。シロは抵抗しないでそのまま押し倒される。


 シロの綺麗な首筋を撫でる。

 可愛く身体を攀じるシロを見つめる。虐めたくなってしまう。


「シロ。逃げるから、ガウンが開けてはだけてしまっているぞ」


「・・・。カズトさん」


「なんだ?」


「僕。カズトさんが」「俺は、シロが欲しい」


「はい!カズトさん。僕の全ては、カズトさんの為にあります」


 シロがガウンを脱ぎ捨てて、大きく手を広げる。


「シロ」


「はい!」


 嬉しそうにするシロを見ると、シロが俺のガウンに手を這わせて、脱がしていく、肩からガウンが外れたので、ガウンを脱ぎ捨てる。


 シロの敏感な部分に指を這わせる。準備はできている。


 シロの上に身体を重ねる。当たっているのがわかるのだろう。シロは腕を俺の首に回す。

 首にまわした腕を背中に移動させる。力が込められる。


「来てください」


「あぁ」


 シロの中にゆっくりと入れていく。

 身体が緊張しているのだろう。二つの双丘を愛撫し始めると、意識がそちらに向くのだろう。緊張が少しだけ和らぐのがわかる。口づけをして、もう一度、ゆっくりと挿入していく、身体が跳ねる。


「あっ・・・。あっ・・・。ん」


 奥から溢れ出てくるのがわかる。

 身体が、心がシロを求めている。


「シロ。一気に行くぞ」


「は・・・。い・・・。きて・・・。く・・・。ださ・・・。い」


 シロの言葉を聞いて、一気に奥にいれる。


「あ・・・。カズトさん。やっと・・・。やっと・・・」


 シロの目から一筋の涙が流れる。指で掬ってから、目にキスをする。それから、貪るように唇を求める。


 シロの呼吸音に動きをあわせる。

 背中に回された腕に徐々に力が入っていく。


 シロが絶頂を迎える。


---


 夜中に目が覚めた。


 目がなれてくると、横には全裸で幸せそうに眠っているシロが居る。


 ベッドの横に水差しが置いてある。まだ冷たい水が入っている。メイドが、持ってきてくれたのだろう。


 シロを起こさないようにベッドから出て、カップに入れた水を飲み干す。

 蹴り出してしまった掛ふとんをシロにかけてから、ガウンを羽織ってベランダに出る。


 ベランダからは、商業区と自由区の灯りが見える。

 まだ騒いでいるのかもしれない。定期的な祭りも考えないと駄目だろうな。


 皆が安心して生活できる場所を求めていただけなのに・・・。

 守るべき大切な存在ができた。


 幸せそうな顔で寝ているシロの横に戻って目を閉じる。


---


 翌日、すぐに出発しようと思ったが、3日間は調整に費やした。

 ルートからの報告を待つという理由もあった。


 元老院からも、パレスキャッスルの安全が確認出来なければ、エルフ大陸には行けないので、ルートからの連絡を待ってから移動して欲しいと言われたのだ。

 それだけではなく、オリヴィエから大陸全体のセキュリティを見直したいと言われて、残る者と一緒に行く者を選別した。


 やっと、選別も終わって、出発出来る状態になった。


 見送りは、クリスとフラビアとリカルダと元老院のメンツだ。


「クリス。頼むな」


「はい」


 パレスキャッスルへの襲撃は、駆けつけたエリンとルートによって終息した。報告書が2日前に届けられたのだ。

 新種は1体だけ出現して、港を破壊しただけだった。人的な被害は出ていない。エリンからの報告では、新種はすでにパレスキャッスルの周辺には居ないらしい。


 エルフ大陸に行くのは、ステファナとモデストとエクトルを加えた。

 直前になって、フラビアとリカルダが湖の集落に残ることになった。ギュアンとフリーゼを従者として鍛えたいと言い出したのだ。

 シロとしては、一緒に行きたかったようだが、二人から諌められていた。


「姫様。姫様は、旦那様と一緒に居てください。それに、従者の教育をして、跡継ぎ様に備える必要があります」


「フラビア。跡継ぎは・・・」


「出来てからでは遅いのです」


「わかった。わかった。シロもいいよな?」


「・・・。はい」


 シロがまだ少しだけ抵抗を見せるが、跡継ぎと言われてしまうと、何も言えなくなってしまう。

 それだけではなく、重ねた身体を思い出して、身体が熱くなってしまうのだ。


 それから、コアも全員が残ることになる。理由は、いろいろあるが、大陸の防御を見直して欲しいと俺が頼んだからだ。オリヴィエは残って、全体の指揮を取る。眷属の半数も残ることになった。

 一緒に行くのは、カイとウミとライだ、エリンも合流するので、戦力は十分だと判断されたが、レッシュとレッチェが一緒に行くことになる。

 コアたちが一緒に行かないので、馬車での移動と野営になる。


 馬車を簡易的なホームに出来ないかと考えたが、クローン・コアを使えばできそうだが、馬車の盗難が怖い。


---


 パレルキャッスルや周辺も新種の恐怖は有ったのが、ルートが安全宣言をだしたことで、落ち着きを取り戻した。


 最初、俺たちを乗せた馬車は、最速で移動する予定だったのが、SAやPAで1泊してから移動することになった。


「エクトル。そろそろ、お前に命じた者の氏を教えてくれないかな?」


「知らん」


 隷属は、モデストが握っている。モデストには、強制しないように命令している。


「お前の姫様に会わないと、何もわからないからな」


「なんでだ!貴様・・・あぎゃぁあがぁ」


「モデスト!」


「もうしわけありません。少し、教育が必要だと判断しました」


「俺は気にしないから、やめてやれ」


「旦那様。我らが気にするのです。おゆるしください」


 シロを見るが、うなずいている。

 毎晩ではないが、シロを抱いている。日を追うごとに、可愛くなっていく。


「わかった。だが、話が進まないから、今はやめておけ」


「かしこまりました」


「はぁはぁはぁ・・・。礼は言わないぞ!」


「そんなことは期待していない。俺は、エクトルから話を聞きたいだけだ」


「誰が!?」


「”完全回復”を欲しがる理由があるのだろう?教えてくれれば、必要な対価は求めるが、渡してもいいと思っている」


「なら!」


「だが、それには、俺が、相手を見極める。エクトルに”命令”したのなら、俺の敵だ!しかし、そうでないのなら話を聞くくらいはする」


「・・・。少しだけ、考えさせてくれ・・・」


「パレスキャッスルに着くまでに考えをまとめろ」


「・・・」


 モデストが、首を横に振っている。

 多分、”甘い”と言いたいのだろう。俺もそう思う。しかし、”レベル9”の”完全回復”を必要とする理由が知りたい。今後、俺たちも同じ状況になった時に、慌てないで対処が出来るようになっておきたい。特に、病気なら予防ができるようなことなら、予防法を考えておきたい。それ以外なら、原因を突き止めておく必要がある。”完全回復”で治して終わりではない。何かしらの原因があるはずだ。


「カズトさん」


「ん?」


「パレスキャッスルからは、どうするのですか?」


「うーん。俺たちだけなら、エリンに頼むけど、結構な人数が居るからな。商隊にでも頼むか?」


「そうですね。レッチュに手紙を持たせて先行させますか?」


「そうだな。頼めるか?ルート宛てに送れば、対応してくれるだろう」


「わかりました」


 シロがレッチュにメモを渡している。

 そのまま、飛び立つようだ。


 エリンになら連絡が届くだろうけど、俺かシロからの依頼にしないと、ルートも動きにくいだろう。


 モデストたちと話をしたり、カイとウミと遊んだり、シロとイチャイチャしたり、ライを枕に寝ていると、今日の宿泊地に到着した。

 また、無意味とは言わないけど、歓迎を受けて、歓待の場に出て、代官と話をしなければならない。


 必要なことだと解っていても、無駄に思えてしまう。

 しかし、結婚式に来られなかった者たちとこうして接するのも、必要なことなのだろう。他の街道は、やらないと言ってあるが、まだ諦めていないようだ。パレスケープとロングケープにも行かなければならないだろう。

 特に、ロングケープにはシロとの出会いの場所もある。アトフィア大陸に行って、シロのお父さんのお墓にも行きたい。


 いろいろやらなければならないことがあるが、まずはエルフへの対応を考えなければならない。


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