ぼくらはみんな生きている。

はらぺこおねこ。

01 招待状

第1話

  人生、いいこともなければ、そうでないこともある。

  いや、むしろそうでないことのほうが多いだろう。


  でも、死は平等にやってくるものだ。

  遅いか早いかの違い。

  あとは覚悟の違い。

  死が来るだろうというものを覚悟して死ぬのと、死を覚悟しないまま死ぬのとではわけが違う。


  どうして僕は死ななければいけないのだろう。

  生きてやらなければいけないことなんてひとつもない。


  でも僕の死を知らせる存在が、もう来ている。


  もしも僕が、いなくなっても。

  誰も泣かないだろう。

  死んだことすら気づいては貰えないだろう。


  僕は、祝福されて産まれた命じゃない。

  だから、死んでも誰も泣かない。

  だから、死んでも誰も悲しまない。

  だから、死んでもいいんだ。

  祝福されないのなら、そっと消えてしまおう。

  そう思っていた。

  思っていたのに……


 そんなとき、猫之助の元へ手紙が届く。

 それは、天国への招待状だった。

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