私の凄さは存分に思い知ったでしょう
「――と言っても、使ったことないのでよく分からないんだな」
「あんたねぇ……大概にしなさいよ」
ようやくストーリークリアだ。一週間以上もかかった。
「ホント、トロいわね。早いマスターなら二、三日でクリアしてたでしょう」
「みたいだね。いったいどうやってたんだろうと思ったよ。一日中プレイしてたのかな?」
「私のために、一所懸命に努力したってことよ。それに比べてあんたは……」
「いや、正直言って仕事のある身では一日中なんて無理だよ」
「そこを何とかするのがマスターの義務でしょ。睡眠削ってでもやんなさいよ」
「いや待った。社会人としてそれはどうかと思う」
「何が社会人よ。殆ど廃人スレスレのゲーヲタのクセに」
「違うって。廃人は言い過ぎだって。ゲームは生活のほんの一部なんだよ」
「言い訳しないの! ともかく正式加入したんだから、これからドンドン私を使いなさい! 強化も優先してやるのよ!」
「はいはい、だから冬は嫌なんて言わないでよね」
「いや、それはちょっと……」
クリアの後の宝具強化クエストが発狂ものだった。ココナツミルクとBBB戦はまだ何とかなったが(それでも苦しかった)、キアラとBBペレが大変だった。
キアラはルーラー特攻なんてスキルがあるもんだから有利に進められなかった。あんなスキルがあるなんて全然知らなかった。自分の所にはいないし、敵として戦ったのも初めてなので、知識が皆無。だから心底面食らったわ。結局あの人、相性不利のクラスはナシってことなのか?
BBペレはアルターエゴのため、やはり相性有利にしづらかった(バーサーカーなら高ダメージを与えられるが、同時に自身にダメージを受けやすいので、やっぱやりにくい)し、無敵を巧みに織り交ぜてくるし……もう消耗しまくったわ。二度とやりたくないって感じ。BBペレの後半はアナスタシアになり、キャスターにクラスチェンジしたお蔭か随分やり易くはなった。
何とか全クリアして邪ンヌの宝具はMAXにできたけど……トコトン疲れてしまった。全戦消耗戦になったので、もうボロボロ。やっぱアタッカー偏重ってのがいかんのかな。サポート役が欲しいぜ。
「戦い方が下手なのよ。敵の性質をもっとよく理解して、その都度戦術を立てる。有効な礼装を選択し、上手く使い分けて戦いに望むのよ。あんたに足りないのはそこ。戦術眼ってのがなさすぎるのよね。どうも力押しでやろうとする傾向が強すぎるのよね」
「そう言われてもね」
「ともかく私が来たんだから、これからは私中心で行くのよ。それでいいのよ」
「はい、だから冬も戦ってね」
「いや、それは……」
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