第2話 いないはずの住人

 僕はビックリして振り向いた。

 そこには僕と同じくらいの学生服を着た男子がいた。


「あの、何でもないんだけど、昨日まではこの家はゴミでいっぱいだったんだ。でも今日はきれいになってるからどうしてかなって思って……」


「ああそうなの。おじいちゃんが入院しちゃったから私が来て片付けたんだ」

「一人で?」

「一人じゃ無理さ。手伝ってもらったよ」

「そうなんだ」

「何か飲む?コーラと麦茶があるよ」

「いや、いいです。もう帰らなくちゃ」

「そう。私は竜一りゅういち。今日からここに住むことにしたんだ。君は?」

「僕は拓馬たくま。ごめん。もう帰らなくちゃ」

「わかった。またね」

「じゃあ」


 何か肌寒い感じがしたので僕はその場を立ち去った。

 その日から、その家の周りで不思議な出来事が起こり始めたんだ。

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