DQ66からの育児日記

路地ゆきこ

第1話 未知数な始まり

3月のあの夜に戻って「今回はやめておきなさい」と言えたら…と思う事が、時々あります。

もう治療やめようと、夫に背を向けて寝た、あの夜。

できるだけの事はやってみようよと、夫が後ろからそっと入ってきて、役目を「果たした」あの夜。

上の子が部屋の隅で、カエルみたいなポーズで熟睡していた、あの夜。

あの夜やめておけば、今みたいな苦悩はなかったかも知れない。

大変な時は、そんな思いに取り憑かれます。

でもやはり、この子に会えなかった人生は考えられない、とも思う。


上の子と少し離れて授かった下の子は、発達障害を持っていました。

言葉が遅く、1才半健診からずっと要観察。

半年ごとに保健所でフォロー健診を受け「きっと急に喋り出すよ~」と言われ続けてきましたが、

3才になる直前、言葉の問題で幼稚園に入園を断られました。

「普通」の範疇から外れてしまった。

これをきっかけに保健所に改めて相談、発達検査を受けました。

2才10ヶ月。その時の検査結果が、DQ66でした。

下の子の、未知数な人生の始まりです。

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