第17話ステータス
俺たちは冒険ギルドに戻った。
姿を現わすとヴィーナスが迎えてくれた。
「ヴィーナス、ゴブリン討伐したわよ」
三人ともステータスの紙を渡す。ヴィーナスは久しぶりのクエスト完了で満面の笑みだ。
「討伐御苦労様です!かしこまりました。ではステータスの更新に移りたいと思います」
ヴィーナスはステータスの紙に右手を出し、魔方陣が描かれる。
ヴィーナスの手からは強いマナが感じられる。そして、最初押してもらったスタンプは徐々に消え、だんだんと文字が変形していく。
「これで、クエスト完了、ステータスも少しは皆さんのが上がりました」
俺は自分のステータスを確認してみると
佐藤 竜二 17歳 男 レベル:81
職業:勇者
攻撃:612
防御:563
敏捷:596
魔力:753
魔攻:774
魔防:800
スキル:言語理解・全属性魔法Lv7・剣術Lv9・魔力操作Lv8・魔力回復Lv9・自動治癒Lv8・全属性耐性・氷魔法Lv10・魔法理解
ユニークスキル:ダークテールリフレクション
ステータスも少し上がっていて、スキルに魔法理解という謎のスキルが増えていた。
「ヴィーナスさん、この魔法理解とは何だ?」
「魔法理解ですか、私もわからないです。レアスキルなのは確かだけど、ゴブリンを倒したからスキルが増えたのも稀なケースではあります」
「レアスキルなのか珍しいもんだな」
「竜二、なんで貴方ばかりにレアスキルが現れるのだ!不公平だ!私なんか一つもレアスキルが現れないのだ!羨ましいすぎるぞ!」
「そういうなってエリシア、俺だって望んで手に入れたわけじゃないんだって、エリシアだっていつか手に入ると思うぞ!それよかエリシアは魔眼を持ってるじゃないか」
「なんも説得力がない!それはそれこれはこれだ!私だって少しは竜二と戦えるところまでは頑張るから」
「おう!その域だ!」
「ではこちらは今回の報酬です、ゴブリンを十体倒してくださったので、少し増えています。受け取り下さい」
小さい茶色の袋の中には銀貨十枚入っていたのでゴブリン一体につき、銀貨一枚ということか。
「ありがとう、ヴィーナス!また明日も来るわ」
「はい!絶対来てくださいお待ちしています!」
ヴィーナスは満面の笑みで返した。絶対とつけてくるあたりあまりクエスト受けに来る人がいないのだと思う。
☆
………………………………………………………………………
☆
「アリシャのステータス見してくれない?」
ギルドを出ると唐突にアリシャに問いかけた。
キングゴブリンを一人で片付けてしまうほど凄い使い手なのは認めるしかない、だからアリシャのステータスが気になってしょうがなかったのだ。
「な、なんですかいきなり!どうしてもっていうなら見せてあげなくもないですが」
「待ってよ!私も見せて!」
「そこまで言うのであれば見せますよ、私の強さを見れば驚きますよ?」
「そこまで言ったからにはとても凄いんだろうな」
「驚きのあまり腰を抜かさないで下さいね」
アリシャはステータスの紙を俺に渡して来た。
それを広げ中を見てみると
アリシャ・ダークリシア 16歳 女 レベル:42
職業:魔女
攻撃:128
防御:175
敏捷:179
魔力:896
魔攻:864
魔防:821
スキル:言語理解・全属性魔法Lv2・魔力操作Lv3・魔力回復Lv4・全属性耐性・闇魔Lv10
「アリシャお前...俺より魔法値は高いじゃないか⁉︎」
「私は強いって言ったじゃないですか」
「それに魔女⁉︎魔女だったのアリシャは?」
「そうですよ!闇魔法の使い手なんですから当たり前ですよ!」
胸に手を当て堂々としている。
「痛い発言してるわよ」
「魔女ってそんなにいいのか?」
「竜二何言ってるの?魔女って勇者の次に強いと言われている職業なのよ!アリシャがその魔女だったなんて、とんでもない掘り出し物だったわ」
「私を物みたいに言わないで下さい!」
「ちなみにエリシアはどうなんだ?」
「い、言えないわよ!絶対竜二とアリシャにバカにされるもん!」
「バカになんてしないよ!この際だから皆のステータスを確認しないか?」
「エリシア殿がどれぐらいかとても気になります!」
「わかったわ...」
エリシアは腑に落ちてはいるが渋々ステータスの紙を見せてきた。
エリシア・シーク・アストレア 16歳 女 レベル:22
職業:冒険者
攻撃:189
防御:190
敏捷:201
魔力:105
魔攻:142
魔防:146
スキル:言語理解・物理攻撃Lv3・全属性魔法Lv2・魔力操作Lv1・魔力回復Lv1・火魔法Lv1
ユニークスキル:魔眼(赤)
「エリシア殿!頑張って下さい!」
「アリシャにバカにされたよー」
「気にすんな、俺は悪くないと思うぜ!成長がまだあるってことじゃないか、エリシア一緒に頑張ろう」
「竜二までバカにしないでよー」
「これでも普通の冒険者だったら平均値なんだからね!竜二とアリシャが馬鹿げているだけなんだから」
「エリシア殿、私なんでも教えますから色々と聞いて来て下さいね」
「エリシア俺はなんだってするぜ」
「二人ともー!もう知らない!ふんっ」
「待てよー、エリシアー」
「エリシア殿、私はエリシア殿を思っての本心です!だからそんなムキにならないで下さい!これからです!私も最初はエリシア殿のステータスみたいに弱かったです。だから気にしないで、これからです!」
「そうなんだ...嘘は付いてないみたいね、アリシャも最初はこんなものだったのね!二人とも私は勘違いしてたわ、努力あるのみ!努力しなければ強くなれないよね!これからどんどん敵を倒していくわよ!」
エリシアは赤く光っている眼でマナを見て、嘘は言っていないと確認した。
「俺、なんかエリシアの扱い方がわかった気がする...」
「私もです...」
「二人ともなんか言った?」
「い、言ってないぞ!気にするな」
「そうか...二人とも今日はゆっくり休んで、明日も冒険に行くからね!早く宿に戻りましょ!」
「明日も冒険行こうぜ!」
「はい!冒険楽しみです」
「待って、私アリシャに勝っているのが一つだけあったわ!」
歩みを止め振り返りニヤリと笑う。
「何ですか?そりゃぁ身長や胸のデカさは負けてますよ!チビじゃダメなのですか!貧乳じゃダメなのですか!」
「そ、そんなんじゃないから!そこまで思ってないから!アリシャはユニークスキルは持ってる?持ってないよね〜」
唯一の強みを存分に出して、アリシャに羨ましがらせる。
「ぐっ、痛いところを突かれましたね。私はいずれ私だけのスキルを手に入れるんです!必ず手に入りますから!なんたって私は闇魔法の使い手なのですから!」
「ふふぅーんっ、、、、、、」
それ以降の言葉が見つからず赤面のままエリシアは宿屋に走って帰って行った、何を言ってもエリシアはアリシャに勝てないのだからしょうがない。それに続いてアリシャも追いかける。
「待てーーーぇーー」
エリシアとアリシャ宿屋の方へと去って行った。
いつの間にあんな仲良くなったんだと思う。
取り残された俺は歩くスピードを少し早めた。
誰かが俺に視線を送っていたかに見えたが気のせいだろう。
俺の数メートル後方で視線を送って、笑っている姿があったが俺は気づかない。
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※違和感や不自然な点がありましたら感想で教えて下さい。これからも読んでくれると嬉しいです。よろしくお願いします!☆次回新キャラ登場します。
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