前のエピソード――第627話　ウォンの誤算……（21）

　どの種族も見てもわかる通りで、オーク種族の者達よりも身体が身軽、イコール、瞬時に移動ができる上に、弓を撃つ、放つ。鏃を敵や獣に撃つのが得意な種族ばかりなので。ジャポネの女王シルフィーはウォン率いる此の国の戦士、兵達に対して、徹底的な弓矢、鏃によるアウトレンジ攻撃を実行──。

　自身が率いるジャポネの兵達をちゃんと班分けに区切り。連続攻撃をウォン率いる兵達へと繰り返し実行。おこなう。おこなってくるから。

　ウォン率いる此の国の兵達は刹那──！

　断末魔に絶叫、混乱、動揺をして立ち直れない状態まで陥っているから敗戦濃厚、間直なのだ。と、なれば？

　ウォン自身と女王アイカの首が怪しくなる。なってきているから。ウォン自身は先程から「（さてさてどうしたものか？）」と。

　己の声を出さずに、他人に聞かれないよう。悟られないようにしながら思案を続けている。

　もしも他人、己が率いる此の国の漢戦士達に、指揮官である自分が混乱、動揺をしていると聞かれ、悟られれば、更に此の国の漢戦士達、兵の士気が下がるから。これ以上の士気低下は、逃亡兵も多々出る可能性があるので、ウォン自身はとにかく顔色を変えないように振る舞うのだがと。ウォン自身も言いたいところではあるのだが。