第488話 女神さまの異世界日本の我が家?(12)

 と、言葉を返した。


 すると彼女の幼い主さまは? 微笑みながら訊ねる行為をやめて、自身の顔色を変える。


 そして? 変えると直ぐに自身の口を開いて。


「女神さま~? やはり? その木製の靴だと? 歩いていても足が痛いんだね。おかわいそうに……」と。


 美と時の女神シルフィーへと彼は? 苦痛な表情で、労りのある台詞を告げるのだが。当の本人である美と時の女神シルフィーの方はと言うと?


(う~ん、私の王子様が? 木製の靴を履く私のことを可哀想な者だと憐れんでくれるのだが。私自身は今迄、この木製の靴を履いて生活をすることに対して不便だと思ったことはない……。それに? 素足で野や山の中を駆け巡るよりは良いと思う……)と。


 彼女自身は脳裏で思うのだよ。


 それこそ? 自身の幼い主さまには、木製の靴の件に関しては?


 大変に綺麗でデザインの良い高価な靴を履いて歩き、走ることができる高貴な身の上である王子さまには、関与されたくない。


 それこそ彼女は? 彼に放置していて欲しいと願う。



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