第476話 出逢い……(33)
彼女自身も? 幼い健太(彼)が? 自分が健太(彼)に想う恋心とは裏腹なこと……。
何かしら邪な想いを画策している可能性があるから? 健太(彼)から逃げたくて仕方がなくなってきたのだよ。
まあ、こんな猜疑心を美と時の女神シルフィーが。自身の脳裏で募らせ──。
何とか健太から逃げようと思案をしていると?
美と時の女神シルフィー自身の予想に反する台詞が?
彼女の夫(主さま)から返ってくる。
「僕の両親は、お仕事で毎日遅いから~。僕は家で一人なんだよ~。だから~。女神さまは遠慮しなくてもいいですよ~。それよりも~? 外は寒いし~。女神さまの冷えた身体を温めるためにも~。早く~。僕の家にいきまよう~。今直ぐに~」と。
健太は女神シルフィーの予想を反した台詞……。
そう~? 薄暗い日本の冬の夕刻なのに、朝陽に負けないぐらいの微笑みを彼女に投げかけながら。優し声色で美と時の女神シルフィーを労る台詞を告げる。
それも~? 相変わらず~? 彼女の華奢な手首を力強く握り。強引に引きながら自宅へと向かって──薄暗い中を『ハァ~、ハァ~』と、白い息を吐きながら走り抜けていく。
だから彼女……。
そう~? 美と時の女神シルフィーは~? 幼い自身の健太(主さま)の優しさに折れて──。
(致し方がない)と。
彼女の自身の脳裏で思い。彼に身を委ね、任すことを続行……。決意をする。
だから美と時の女神シルフィーの可愛い唇が開き。
「もう~。あなたは~。本当に~。強引なのだから~」と。
幼い健太(主)さまへと笑みを浮かべながら告げる。
それも~? 愛おしい彼の背を見ながら追い──。暗い日本の冬の夕刻を走り抜けていくのだよ。
まあ、そんな仲の良い様子の二人を我等はいつまでも見詰めるのだった。
◇◇◇◇◇
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