第443話 沙羅の出生の秘密……(30)
だから沙羅は、母であるシルフィーに健太が、自分を含め、兄二人の父だと告げられても、納得できないところがあるのだ。
う~ん、でも~? 沙羅の目の前──。母であるシルフィーの両翼に並ぶ、一輝と勇人を見れば──。沙羅自身の夫である健太の面影が確かにあるのだ。
それに~? 兄二人の名前や沙羅自身の名前も含めてだが? この辺りでは珍しい名前……。
そう~? 日本の漢字名前の呼び名を聞けば。自分と兄二人は? やはり健太(夫)の子で間違いがない気もするのだが。
やはり健太の容姿が余りにも幼い気がするから?
沙羅自身は納得できないでいる。
だから彼女は困惑……。動揺を続けるのだ。
そんな様子の娘……。沙羅の様子を凝視するシルフィーは、自身の過去を思い出す。
そう~? 冒頭シーン~。彼女の過去~。
幼少期から奴隷……。性玩具(おもちゃ)……。
色々な領主や国の王達の勝利の証……戦利品として扱われてきた暗い過去を持つ彼女の、唯一の心の拠り所であった男性との恋話をしながら沙羅達兄妹の話しに触れてみようと思う。
◇◇◇◇◇
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