第34話~準備はOK
私達は他に★をどう使うか話し合った。
LUKにしようかと言われたけど、必要なのは私だけだし、それならVITに振ってLUKは、経験値を使おうという事になった。
VITには★三つ消費して1200UP。これで防御も1増えます。これはギルド全員にですが、ギルドを抜ければこの恩恵は受けられなくなります。あくまでもギルドに所属しているプレイヤーが対象のようです。二人だろうが十人だろうが、★三つで1200は変わらないという事です。
残りの★四つは、残しておいて必要になったら使うという事になりました。
さて今度は、探索者の仕事を選ぶ事にしました。自分たちの出来そうな仕事を探します。これは期限ではなく、出来る時間帯を選ぶ感じです。
まずは仕事の内容を確認してみる事にしました。
迷宮の見回りの場合は……
救護を必要としている人がいないか。
マナー違反をしている人はいないか。これは、地面に穴を掘っている場合は注意し元に戻させる。罠などを仕掛けていた場合は、応援を呼んで捕まえる。
後は、万が一魔物を発見した時は、入り口を封鎖し応援を呼んで、知らせを入れる。
多分、地面に穴を掘っている人以外は、ほとんどないでしょうね。
今年度の仕事は免除されているので、今年はやらなくてもいいけどどんな感じかやっておく事にした。
フィールド――森の中の見回りもある。こちらも同じような内容だった。
見回りは一回3刻分で換算されるらしい。
場所によって最大人数が決まっていて、最低はどれも二人からなのでどれを選んでも私達には問題ないですね。
森の中はしばらくは避けたい気分なので、迷宮の見回りをやる事にしました。
登録すると初めてなのでカウンターまでお越しくださいと表示され、私達は軽い気持ちで向かった。
ギルド番号を伝えると、受付のお兄さんは笑顔で淡々と説明をしてくれた。
私達が選んだ迷宮は『ホワイト迷宮』。単にここから一番近いってだけで選んだけど、今見つかっている迷宮の中で一番広い迷宮らしい。
タブレットで選ぶ時は、場所は載っているけど広さまでは記載されていない。今度からは情報を入手してから選ぼうと思いました。だって見て回るのに半日かかると言われたのです! まあ走ればいいのでしょうけど。
説明では、手分けして見回ってもOKだそうですが、二人以上でと言われました。つまり私達は、手分けして見回る事は出来ません。
「それでこの地図に書かれている場所にタッチして頂くと、ちゃんとこの場所まで見回りましたという事になりますので、この迷宮は六か所に設置してあります。忘れずにお願いします」
そう言いながらお兄さんは迷宮内の簡素な地図を渡してくれました。地図と言っても線が書いてあるだけで、奥の六か所に丸がつけてある。地図ですと言われないと地図だとわからないものでした!
「すごいね、これ……」
ユージさんもきっと同じ感想を持ったんだと思う。そう漏らしました。
「あと、これが探索者のバッチです。なくさないようにお願いします。それを身に着けていないとタッチしても意味がないので気を付けて下さい。それとそれは貸出ですので、ギルドを抜ける際に一度返却をお願いします。それまでは探索中でなくともつけていても構いません」
そう言ってお兄さんは、手のひらにバッチを二つ乗せて出してきました。
私達はそれを受け取った。
「かわいいですよね。この猫のシルエット……」
「それヒョウですよ!」
私が言うと、つかさずお兄さんが突っ込みを入れて来た。
「知らないのですか? この王国の王様の種族がヒョウでそれでヒョウが走っているシルエットなんですけど……」
「あぁ。そう言えば王様はヒョウって聞いた事あるかも」
ユージさんは受付のお兄さんの言葉に頷いて言った。うううう。恥ずかしい。
何故走っている猫なんだろう? と思ってはいたけど。ヒョウなら頷けます。
私達は襟にバッチをつけた。
「あ、それとですね。応援を呼ぶときは、そのバッチを強く横から摘まんで下さい。そうすると近くにいるバッチを付けた人に連絡がいくようになっております。ですのでもしバッチからSOSが聞こえて来たら向かって下さいね。その他詳しくは先ほど渡した探索の心得をお読みください」
お兄さんにそう言われ、私達はハイと返事を返した。
見回りは受け付けてから12刻以内に終わらせなくてはいけない。つまり24時間ね。場所は近いけど、半日かかるらしいので急がないとね。
「ユージさん。場所分かる?」
「うーん。僕も行った事はないからね。看板もあるわけじゃないし。街を抜けて一時間ぐらいの距離だったけど、あの地図使って行った方が無難かもね。街を出たら使おうよ」
私は頷いた。
あの地図とは、この前作成した板の地図の事。万が一の為に地図も臼も私のリュックの中に入れてあります。
「あ、そうだ。行く前に一応ポーション買いたいな。この前のポーションも返したいし」
「あれはいいよ。返さなくても。でも何かあった時の為にあった方がいいね。中ポーションを何個か買い置きしておこうか」
私は頷き、ポーションを買いに向かった。そして中ポーションを五つ買っておきました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます