第7話ファンミーティング

 2Luna storiesの撮影がすべて終了した。すでにテレビ放送は始まっていた。ドラマの人気はすさまじく、スペシャル番組と称して、主要メンバーで番組を作ったり、バラエティ番組に出演したりした。ファンミーティングもあちこちで行われることになった。撮影が終わったらメンバー同士会えなくなるのかと思ったら、かえってその後の方が毎日一緒に仕事をするという状態になったのだった。

 主要メンバーというのは、Yun、Roi、Saku、Reo、Gen、Soyaの6人だった。ドラマの主題歌や挿入歌を6人で歌ったり、インタビューに答え、ゲームをさせられたり。そのフィーバーぶりは本人たちも驚きだった。まだほぼ無名だった6人なのだ。しかし、どこへ行っても黄色い歓声を浴び、すっかり大スターになった気分だった。しかし、自分たちそれぞれがキャーキャー言われるというよりも、それぞれのカップル、RoiとYun、SakuとSoya、ラブシーンはなかったもののReoとGenの、仲の良いところを見て歓声を上げるファンが多いという事に、彼らはすぐに気づいた。例えば、Roiが一人で出てきて歓声が上がり、Yunが一人で出てきて歓声が上がり、その二人が肩を組むと、3倍以上の歓声が上がる。顔を見合わせてにっこりすれば、更に大きな歓声が上がる、という具合だ。

 ドラマの放送が終了し、番宣に出る必要もなくなったが、ドラマはアジア中で翻訳され、時間差で国外へと人気が広がって行った。

「みんなー、アジアツアーが始まるわよー!」

Saiは興奮して言った。事務所の5人はびっくり。

「うそー、外国行くの?」

「すげーじゃん!」

とはしゃぎまくり。Roiだけ事務所が違うので、ここにはいない。

「すぐに出発の準備をするわよ。6か国回るからね。」

Saiが言った。


 外国の主要都市に降り立った時、まさかのファンの大歓迎を受け、驚きの6人。自分の国ではまだまだ新人の自分たちが、よその国でこれだけのファンがいるとは思っていなかったのである。ステージでは、通訳を交えながらインタビューやゲームがあり、ドラマの歌を歌う。ファンサービスで、RoiとYunはいつもラブラブなところを見せつけ、けれどもギリギリ、キスはしないということは、事務所間で調整がついていた。二人は勝手に人前でキスをしてはいけないのだ。たとえ頬にでも。

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