理想の未来


大切な人が出来た。


彼女はいつも半歩後ろで私に笑顔を向けてくれる。


幸せにしたい。私はそのための未来を描いた。


背伸びをし、理想の未来へ手を伸ばしはじめる。


いくら手を伸ばしても届かないそれに挫けそうになった。


それでも、いつかは…と手を伸ばし続ける。


ダメかな…と思った時、偶然にもそれに手が届いた。


やったよ!と振り返る。


そこに彼女の姿は無かった。


何もない、その空間を見つめ、ただただ自分の愚かさを思い知る。


私は、未来を見ていた。




彼女は、今を生きていた。

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