大自然の幻想


わたしたちが

顔から実に色々な液体を流している最中に

森で

リスたちはコーヒーを啜っている

じゅるり

「ああ、うめえや」

リスが言った

「こりゃあコロンビア産の豆だ」

大自然などと言っても所詮はこのようなもの

人間がただ見ていないだけ

「おい、今日はカメラマンが森に来るぞ」

「またほっぺたに木の実なんか詰めなきゃならねえ!」

ひどく非合理的だと訴えている

取材班が帰ったら憎々しげに木の実を地面に吐き捨てるのだろう


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る