運命の人


わたしはあなたを探していた

わたしはあなたを探していた

わたしはあなたの顔を知らなかった

それでもわたしはあなたを探していた


わたしは闇の中で怯えて這いずり回っていた

わたしは方向感覚を既に失っていた

あなたはこの世界の何処かで確実に肺呼吸をしていた

わたしにとってそれが唯一の支えだった


わたしは血反吐を吐いた

あなたは午後のティータイムに突入した

「角砂糖をもう一つ入れようかしら?」

あなたは午後のティータイムに突入した


行方不明になった少年と少女を森で必死に探し続けた

叫び続けた

けれど少年少女はもうとっくにおうちに着いておやすみ中だった

わたしは叫んでいた

少年少女はすやすやと寝息を立てていた

わたしは叫び続けていた

ねえ

あなたは今、何処にいるの

何処で誰の陰茎をしゃぶっているの


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