生きるか死ぬか 2

 つまり、先のこと、将来のことを考えるということが出来なかったのです。何故勉強しなくてはいけないのか、何故学校へ行かなくてはいけないのか?算数、数学、これを解いてなんのためになるのか。何故、何故、何故、やりたくない、できない、行きたくない、遊びたい、自分のやりたいことだけをしちゃ何故駄目なの?学校って何?なんでみんな並んで同じことをするの?でもやらなくちゃいけないんだ、そんな感じでずっと生きてました。


 緘黙ですから、生まれてから4年生くらいまでは、人とほとんど話すこともなかったのです。緘黙わかりますか?かんもくです。わたしも最近知ったのです。親も親戚の人も、一言も喋らないおとなしい子、としか思っていませんでした。自分自身もわたしはおとなしい子なんだと思ってました。


 場面緘黙なので、家ではまあまあ喋りますよ。今でも母親から「一日中黙ってる!」と怒られて、あ、喋ってなかったのかと気づくこともしばしばです。母親には理解されません。わたしのすべてのことは否定する人ですから。緘黙という病気だったのかもと話しても「わたしも学校で喋らなかったよ、そんなの普通じゃないの、自分のことを特別だと思うな」と言われてしまいます。


 じゃあなんでお母さんは毎日毎日わたしを怒るの?こんなおばさんになってるのに、なんで怒るの?と言うと「あんたがわからないから悪いんでしょ!」です。


 毎日わたしは家のことやいろんな場面で失敗します。母親の思い通りに動いてないという理由でです。


「これはこうするのくらい言われなくてもわかるでしょ。ほんとバカだね」


 いやそれは母親の頭の中で、こうするものとしてイメージされてることだから、言われなきゃわからないのですよ。


 ゴミ出しを忘れそうになると「はあ?昨日からわかってたでしょ」たまには忘れることもあるでしょう。


 わたしの行動は、母親の思った通りに動いていないと、母親のリズムが狂うそうなのです。


 親じゃなかったらとっくに逃げ出してますよ。現に妹は早くに逃げ出して、わたしに押し付けて安心してます。


 つづく

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