源三郎江戸日記(弟四部)109 宗春と新井が反省しないなら地獄の閻魔大王に頼むとしよう、さすればおとなしくなるじあろうというと、そういえば明石藩の元藩主はどうしているんでしょうかと聞く


源三郎江戸日記(弟四部)109


宗春と新井が反省しないなら地獄の閻魔大王に頼むとしよう、さすればおとなしくなるじあろうというと、そういえば明石藩の元藩主はどうしているんでしょうかと聞くので、全国を行脚、

して民を助けているはずじあが、その内何処かで会うじあろうと言ったのです、若狭屋が七衛門はまだ若くて、殿に連れていってもらえるのでよいなと羨ましがるので、どうだ、若狭屋も、

行くかと言うと、


つれて行って下さるかと聞くので、富蔵も尾張にいます、差し入れでもすれば喜びますぞと言うと、そうですな、これは楽しみですと喜ぶので、お律が何と言いますかなと笑うと、なんの、

わしがいると口うるさいので喜びますよ、それでは準備します、これはここの飲み代ですと25両だして、お勝つ達をよんで出陣式でもやりなされと出て行ったのです、女将がご隠居は嬉し、

そうですねと笑うので、


冥土の土産じあなと言うと、あの元気ではまだ10年は持ちますよと言うので、そうすると90才近くになるではないか、それは目出度い、楽しみを与えて100才まで生きてもらおうというと、

お律様が閉口しますよと女将が酌をして、芸子を呼んできますと席を立つたのです、七衛門も跡取りと娘まで生まれて良かったなと言うと、これも殿にお会いしたお陰です、と言うので、

もう20年も前になるか、


色々おもしろい事もあったなと言うと、ハイ、殿といると波乱万丈であきが来ませぬと酌をすると、お勝つが入って来て、ハバアで宜しいのですかと言うので、まだ、まだ、みんな若い、

ではないかと言うと、そういうて下さるのは殿だけですよと言うので、お勝つも駒菊も置屋をやっているのじあろうと聞くと、ハイ、此処にいる白菊がわたしの店娘で桜が駒菊の店娘で、

すと言うので、


そうか代変わりじあな、白菊も桜も中々べっぴんではないかと言うと、有難う御座りますと2人が酌をしたのです、お勝つと駒菊は旦那はおらんのかと聞くと、女将がいるに決まってい、

ますよと言うので、まさか、遊び人ではないじあろうなと聞くと、堅気の商人ですよとお勝つが言ったのです、そうか、それは連れ添いが出来て良かったなと言うと、茶のみ友達ですよ、

と2人が笑ったのです、


ところで駒菊、安兵衛は元気かと聞くと、ハイこんどの北町の与力になりましたと言うので、精進すればいずれ奉行じあなと言うと、それが、見回りとしょうして、本所あたりで遊び回、

っているらしいのですと言うので、血は争えぬわけじあな、情報を得るのには場末の場所にも出入りしないかんので良いではないかと言うと、奥方様が心配しています、源四郎様はまだ、

長崎ですかと聞くので、


暫くは戻って来れぬじあろう、今頃は女とさしつ、さされつじあないかと言うと、血は争えぬものですなと言うので、まあ、そういう事じあよと笑うと、お峰様と源之助様はと聞くので、

まだ元服前じあから、ソロバンと剣に励んでいるそうじあと言うと、そろそろ色の虫が頭をもたげる年ごろですねと駒菊が酌をしたので、へんな女に引っ掛からなければ良いがなと酒を、

飲み干したのです、


それでは一指しと言うと、桜が三味線を引き三人が踊ると、白菊の踊りも中々のもんです、踊り終わったので、大御所の踊りは衰えないなと言うと、白菊が女将2人と一緒に踊るなんて、

初めてです、緊張しましたと言うと、お勝つが足の出し方がぎこちだよと言うと、すみませんと言うので、厳しいお師匠さんだなと笑って、白菊と桜に酌をすると、飲み干したのです、


若狭屋が金を置いていったので、白菊と桜に3両づつやろうと、渡すと、有難う御座ります、こんな大金いいんですかと言うので、良いのじあよ、2人で何か買うと良いと言うと、お勝、

と駒菊が手を出すので、3両づつ渡すと、有難う御座いますと言うので、女将にも渡すと殿から貰うのは久振りですと言うので、柳沢と言う金ずるがなくなったからなあと笑ったのです、


女将がどうされているのですかねと言うので、隠居なされて大和郡山にいなさるよ、石高は同じじあから、ホットされているじあろう、間部と新井はめをつけているからのうと言うと、

権力争いは醜いものですねと言うので、魔物じあからなと言うと、殿に目を光らせてもらわねば悪いネズミが動きだしますと言うので、うごけば、わしは金が儲かるのじあよ、平穏だ、

と儲からんといったのです、


そうだ七衛門前回没収して来た2万両は船に積んでおいてくれと言うと、ハイ、仁蔵に言うておきました、殿が稼いでくるのでちっとも減りませぬと笑うので、幕府の腹は痛まないので、

良い事じろうと言うと、みんなが2万両も悪人から取り上げたのですかと言うのて、取り上げたのは全部で12万両で殆ど治世に使こうて残ったのが2万両と言うわけじあよと言うと悪人、

は金持ちなんですねと言うので、


悪人じあから金が儲けられると言うわけじあな、せいぜい儲けたところで頂くというわけじあよというと、一番の悪人は殿様ですかと白菊が言うので、みんなが大笑いしたのです、三蔵、

が入って来て、盗っ人が引っ掛かりましたよと言うので、どこだと聞くと、摩擦屋敷です門前取りで新之助の旦那が受取りましたと言うので、生きているのかと聞くと、ハイ、自害はし、

ていません、


忍びではないのかと聞くと、ハイ、霧雨の籐八と言う手配中の盗っ人でした、今旦那が取り調べしています、十内が近くにいたはずじあがと言うと、木戸と言う木戸は厳重に監視して、

いますと言うので、あこぎな奴かときくと、人は殺めた事はありません、わかっているだけでも、東海道筋で6軒総額1400両は盗んでいます、元は腕の良い錠前師だったのですが、博打、

で身を崩して盗っ人になった奴です、


江戸の駒込の蝋燭問屋に押入り千両箱を盗みだしたのですが、小便におきた小僧に見つかり、千両箱を置いて逃げたのです、火盗改めが小僧に人相を聞いて籐八とわかりお手配になった、

のですが、長屋からは逃げて行方をくらましそうです、名古屋の呉服屋が襲われたときに名古屋で目撃されたので籐八だと断定したのだそうです、それからは盗っ人仲間内で霧雨の籐八、

と言われるようになったそうです、


長屋には何もなかったのかと聞くと、床に埋めた壷に600両があったそうです、それはもう10年も前の事ですと言うので、かならず宗春と繋がるはずだ、よし、わしも行こうというと店、

を出て、船に乗り南町奉行所に行ったのです、新之助にどうだと聞くと、すら、すらと白状したぞ、黒幕は宗春様だそうだ、名古屋で呉服屋に押入り家から300両を盗み出したのだそう、

だ、


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