源三郎江戸日記(弟四部)105 その男は喧嘩相手に左肩の骨をおられて、脇差を取られたそうに御座る、その脇差をみれば誰のものかわかるで御座ろう、浪人の風体をしていたそうに、御座れば質屋あ


源三郎江戸日記(弟四部)105


その男は喧嘩相手に左肩の骨をおられて、脇差を取られたそうに御座る、その脇差をみれば誰のものかわかるで御座ろう、浪人の風体をしていたそうに、御座れば質屋あたりに入れる、

かも知れぬ、町方に探索させましょうと言うと、新井は全部知っていねのか、なんと言う奴だ、こうなれば居直るしかないと思い、それはそれがしで御座る、宗春殿に呼ばれたので行、

っていたので御座る、


しかし兄を毒殺する等聞いた事はござらぬ、御三家のご次男がそのような事なされるはずは無いでしょう、昨夜はそれがしは屋敷から一歩も出ておりもうさん、そのような騒ぎがあっ、

た事等知りも申さんと言うと、安部が又もや逃げ口上か、どうせそなたが煽って、その節は自分にまかせてくれと安請け合いしたのであろう、間部殿このような者が幕府参与とは片腹、

いたし、


お家改易の上切腹させなされと言うと、井上がそれがしも、いままでのありよう腹に据えかねる安部殿に賛成で御座ると言うと、井伊殿はどうで御座るかと間部が聞くと、確たる証拠、

はないので御座るので、判断しかねる、尾張藩に使者を立てて宗春殿に問いただせばよろしかろうと言うので、ここに、呼んだ方が良いのでは御座らぬか、御三家に使者を立てるのは、


改易を申し付ける時くらいでござろと言うと、なる程それがよろしかろうと2人が言うので、間部が新井殿尾張の上屋敷に行き呼んできなされと言うと、承知つかまったと御座所を出、

て行ったのです、しかしいくら待っても来ないので、安部がさては逃げたので御座るよ、これは罷免するしかないですなと言うと、間部が仕方御座らぬ、参与は罷免して謹慎を申しつ、

けますと言うので、


改易の上切腹させなされと言うので、源三郎が仕方ない、それがしが尾張藩の上屋敷に行って聞いてきましょう、結果は明日おしらせ申すと言うと、みんなが承知したので解散したの、

です、間部と井伊が御座所を下がると、井上が乗り込むのは危険に御座るよと言うので、今頃は屋敷にはおりますまい国元に逃げ帰っていますよ出頭したらお仕舞いで御座る、間部殿、

は、新井白石に逃げろと暗に言うたのですよ、


恐らく手にてを取って尾張に逃げたので御座るよと言うと、それなら尾張公が危ないのではと言うので、着くのは6日は掛かります、その前にそれがしが船で行き尾張公に総てを話し、

て治めきます、宗春殿を処罰すれば事は公になります、新井と宗春殿は処罰できるはずがないとたかを食うているのです、困ったもんですなと言うと、安部がくそ~手ではなく首が、

落ちれば良かったものをと言ったのです、


その頃宗春と新井は馬に乗り、東海道を尾張へと急いでいたのです、新井が府内を出ましたので安全ですと言うので、今日は横浜に逗留するぞ、本陣は目立つので旅籠に泊まった方が、

良いと言って、あ奴は鬼か30人を簡単に打ち据えるとはと言うと、鬼で御座るよ、何とかして抹殺したい、と思うているのですが、ことごとく失敗しています、しかし、宗春様を殺す、

事等できませぬ、


間部がなんとか、上手くやってくれますよと言ったのです、なぜ奴があそこにいたのじあと宗春が言うと、わかりませぬが、奴は総てを知っていました、あそこで間部が助け船を出さ、

なければ、それがしは腹を切らされている、ところでしたと言うと、わしも呼ばれたら行くしかない、さすれば終わりじゃったよ、よく知らせてくれた恩にきるぞ、箱根の湯につかり、

キズを癒してかえるぞ、


痛くてかなわぬ、絶対に仕返ししてやる、帰ったら一気にやるぞ、藩主になれば総動員して一泡吹かしてくれると言ったのです、源三郎は城を出て尾張藩の上屋敷に行き宗春殿はいる、

かと聞くと、江戸家老が桟敷に通して、お国に帰られましたがと言うので、新井白石が来たろうと聞くと、ハイ一緒に5人の共を連れて帰られましたと言うので、昨夜大勢の者が怪我、

をして屋敷に帰ってきたろうというと、


いいえ、お目付けも先程こられて、お聞きになりましたが、当藩の者達ではありませんと言うので、隠さなくても良い、宗春殿は尾張公を毒殺をしょうとしておる、医師に言うて毎日、

砒素を薬じあと言って盛っておるぞ、国に帰せば一気に事をすすめるぞ、幕府に知られれば御三家といえど改易になる、尾張公に気をつけるように、言う事じあなと言うと、そのよう、

な事信じられませんと言うので、


信じるかどうかはわしの知った事ではないわ、邪魔したなと言うと、立ち上がり屋敷を出たのです、江戸家老はビックリして、文を書き早馬にて国元の、安藤様に届けるのじあと言っ、

たのです、何と言うことじあ、口封じをしょうとして、返り討ちにあったのかと言って、目付けを呼び昨日怪我して戻ったものは、屋敷から一歩もだすな、医師も外から呼んではなら、

ぬ隠し通すのじあと言ったのです、


源三郎は尾張藩の上屋敷を出ると根岸の中屋敷に行ったのです、おあきとエミが出迎えたので部屋に行き、おあき聞いたと思うがエミを頼むぞと言うと、承知しました仲良く暮らしま、

すと言ったのです、明後日は尾張に出掛けねばならぬ、エミは同行せよと言うと、宗春様は逃げたのでございますかとエミが聞くので、発覚を恐れて新井と尾張に帰ったそうじあ、

帰れば尾張公を毒殺して、


自分が藩主になるつもりじあと言うと、そんな事幕府は許すのですかと聞くので、証拠は何もない、わしを襲うたのは女の取り合いだと言い訳するじあろう、お叱りくらいしか罰を、

与える事はできぬので、尾張公を病死とし宗春の相続願いが出れば認めるしかないのじあよ、あのような者が藩主になれば、遊興三昧をして過酷な税の取立てに領民は悲惨なめに会、

うじやろう、


何としても阻止せねばならぬ、して新井白石はどうなるのですかと聞くので、用人に左手の具合が悪いので、お役ごめん願いを出せて、暫く休養すると言うじやろう、これも証拠は、

ないので認めるしかないと言うと、しかし、城に戻ってこなかったのでしょうと聞くので、それだけでは役目不行き届きにつきお役ごめんの罰しか与えられぬのじあよと言うと、


まったくずる賢いのですねと言うので、だから学者なのじあ、わずか5才で論語を総て写本したそうだ、頭は抜群に良いのじあよ、わしなんか比べ物にならぬのじあと笑うと、しかし、

許せませぬ、こんどあったら叩きつぶしますと言うので、何回も懲らしめたが、あれは死ぬまでなおらんな、それと宗春だがこれもとてもまともにはならぬだろう、おあきに頼むし、

かないかも知れぬというと、


おあきの方は更正させられるのですかと聞くと、おあきが殿まかせといてくだされ、いよいよの時はお釈迦様にお頼みしますと言うので、頼むぞと言うと、エミがおあきの方様は、

お釈迦様と知り合いなのですかと聞くと、殿を監視する為に、お傍にいるのですと笑ったのです、なる程殿が色々人助けをしなさるのは、お釈迦様のご命令なのですねと言うので、

源三郎がこき使われているわけじあよと笑ったのです、


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