源三郎江戸日記(弟四部)74 そこに隠れている者出てこいと言うと、1人の男が出て来たので、新井家の家人じあな、命に別状はない、籠を呼び屋敷に連れ帰るのじあと言うと、籠を呼びに行き、籠


源三郎江戸日記(弟四部)74


そこに隠れている者出てこいと言うと、1人の男が出て来たので、新井家の家人じあな、命に別状はない、籠を呼び屋敷に連れ帰るのじあと言うと、籠を呼びに行き、籠に乗せると用人、

は帰っていったのです、伊衛門がそれでは後日と言うと刀を納めてその場を立ち去ったのです、三人は事切れています、境内を出て番屋に境内で切りあいがあり、3人が切られて死んで、

いる、


北町の与力田中新之助に知らせよ、わしは村上源三郎と申す、料理屋桔梗にいると伝えてくれと言うと歩いて料理屋に戻ったのです、女将が七衛門さんのお内儀が病にかかりなさったそう、

ですと言うので、何の病じあと言うと、産後のひだちが悪いそうに御座います、そうか二人目が生まれたのであったな、子供はと聞くと、元気にそうです、玄庵先生は難産で血が一杯流れ、

たので体が弱っているが、


一月も安静にして滋養のある物を食べれば、起き上がれるだろうと言うていますと言うので、そうか、血が増える物と言えば、スッポンの血が良いと聞く、印西から取り寄せて飲まして、

やってくれと言うと、ハイ、手紙を出しました、送ってくれると思いますと言ったのです、新之助と三蔵がやって来て、見事な切り口じあが、源三郎がやったのかと聞くので、わしでは、

ないと言うと、


それでは誰がと聞くので、新井白石の屋敷の用人に聞けば良い、まあ、答えぬじあろうがと言って、わしの差し料を改めるが良いと渡すと、抜いて一点の曇りもないと言って返して、幕閣、

の揉め事じあな、触らぬ神にたたりなしか、浪人共の切りあいとして始末しょう、懐に25両づつ入っていたがと言うので、用心棒代だろう、2人はこ駒込の鶴田道場の者で、もう1人は、

友田源斉と言う浪人じあそうだ、


人を呼び検分してもらい遺体は引き取らせれば良いと言うと、承知したと二人は出て行ったのです、女将が宮本様はお強いのですねと言うので、あの宮本武蔵の養子、宮本伊織が先祖だそ、

うだと言うと、そうですか、新井様はどうなったのですかと聞くので、伊衛門が右手首を切り落としたので、わしが付けておいたが、指は動かぬじあろう、左手を訓練すれば不自由しなく、

なるじあろう、


少しは反省すれば良いがと言うと、殿が何回情けをかけても懲りないのでしょう、恨みに思うだけで反省なんぞしやしませんよと酌をしたのです、七衛門がやって来たのでお内儀は大変じ、

やそうだがと言うと、玄庵先生の言いつけを守っていれば大丈夫ですと言うので、そなたは来月の四国巡察はやめておけ、船頭の仁蔵に任せておけばよいというと、すみませぬと言うので、

この時くらい傍についてやると良い、


お内儀に元気になってもらわねば玄海屋が困るからなと言うと、そうさせてもらいます、仁蔵達にしっかり守るように言うておきますというので、女将が印西よりスッポンを取り寄せます、

スッポンの血は滋養があるのですよと言うと、飲みますかねと言うので、蜂蜜を入れて薬草の汁だといえば良いと言うと、あいつは舌が肥えていますのでと言うので、わしの命令じあと言、

っくれ、知らぬ顔して飲んでくれるよと言うと、


殿が飲めと言われたと言えば飲みます、そうしましょうと手を叩いたのです、それから冷やすのじあぞ、さすれば飲みやすいといったのです、新井白石は屋敷に担ぎこまれ、奥医師がキズ、

をみると、的確な処置に御座る、血の管を繋ぎましょうと言うと外科手術をして繋ぎ、板で固定したのです、これで手首は付きますが左指は神経が切れているので動きませぬと言って、

痛み止めが切れると、


今晩は痛みますが、この痛み止めを飲めば楽になり痛みは明日になれば取れますと言って帰っていったのです、村上は見ていたのか、そうすると奴が宮本に頼んだのじあなと言うと、いや、

話しの内容では宮本の恨みだと思います、村上様とは後日戦うと言うていました、依頼した者と戦うはずはありませんと言うので、そうか、村上が頼んだのではないのか、しかし助けてく、

れてもいいではないかと言うと、


殿は村上様をはじめ大勢の人の恨みを買っています、素直に謝りなされませ、でないと、誰から狙われるかしれませぬと言うと、わかった、わしが頭を下げれば良いのじあろう、キズが、

治ったら頭を下げるぞ、しかし、右手だけでよかった、首を落とされていたら、わしはここにはおらぬところじゃった、しかし、悔しいのおうと言ったのです、翌日奥医師が間部に昨日、

新井様が、


襲われて右手首を切り落とされたそうです、とおりかかった村上様が応急処置をなされたみたいで、それがしが手術してつないでおきましたが、右手の指は動かなくなりますと言うので、

何と、誰に襲われたのじあと聞くと、それは分かりませぬと言って傍を離れたのです、沢山恨みを買うているからの、こんど村上殿が出仕したら聞いてみょう、わしも気をつけねばと、

言って、


御座所に行き、話をすると、安部が手首とは生ぬるい、なぜ首を落とさなかったのじあと言うので、まさか、安部殿の仕業ではないでしょうなと言うと、とんでもない、わしは知らぬ事、

で御座ると言ったのです、深川八幡横の小さな神社の境内だそうです、村上殿の上屋敷の近くです、偶然とおりかかったのでしょうと間部が言ったのです、そうでしょう村上殿がそんな、

事をやるはずは御座らぬと、


井上が言ったのです、間部がさて、木曽川の治水の件ですがと対処方法を言うと、なる程輪中と言う手があるのですかと安部が言うと、尾張公が村上殿に聞いたという事で御座るこれで、

上手くいくメドがたち申した、薩摩藩は藩士1000人を送り込んだそうに御座ると言うと、井伊がなる程藩士を使いなるべく費用を安くあげようと言う腹で御座るなと言うと、流失した、

流域の領民ではまに会わぬとの事に御座る、


他に方法がないので、長良川の流域の工事費用は尾張2万5千両、幕府が2万5千両出す事になりますが、異存は御座らぬかと聞くと、3人は賛成したので、勘定奉行に2万5千両を直ちに、

尾張屋敷に運ぶように言って、金、銀、銅を買い取る商人はと聞くと、沢山の者が希望しました、払い下げる量を決めましたので、今日にも小判との引き換えにします、貸し金会所に、

はすでに10万両を渡しました、


続けて30万両まで渡します、商人から金寸が集まりましたら、10万両づつ、金座で改鋳して金蔵に運び込みます、金蔵には絶えず70万両は、ある事になりますと言ったのです、承知した、

順調に行っているようですなと間部が言うと、総て村上殿の知恵によるものですと井上が言うので、われわれも少しは知恵をだしましょうと間部が言うと、そうですな村上殿ばかりに頼、

っているわけにはいきませんなと井上が言い解散したのです、


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