源三郎江戸日記(弟四部)72 美濃、尾張を均等に2万石づつ流出する方法等あるわけは御座りませぬ、流域を3間の堤をつくれば、伊勢が流されますので、伊勢湾に注ぐところまでやらねばなりませ


源三郎江戸日記(弟四部)72


美濃、尾張を均等に2万石づつ流出する方法等あるわけは御座りませぬ、流域を3間の堤をつくれば、伊勢が流されますので、伊勢湾に注ぐところまでやらねばなりませぬ、20万両では済み、

ませぬと言うと、そなたでも無理かどちらかが4万石流失するのじあな、それなら工事などする意味がないわと言うので、全体では6万石は助かりますと言うと、みんなは自分の事しか考え、

はせんわいと言ったのです、


ならば輪中を作る事です、流失するのは全部で48カ村位でしょう、それぞれの村を一間の堤で囲うのです、流失時の水位は大体3尺くらいですから、一間あれば田と村が水没せずに済みます、

ただし総てを救う事はできませぬ、半分は囲いきれないでしょう、特に畑が問題です、4尺より上にする為に新たに山の斜面を切り開くのです、該当する領民に給金を払ってやらせるのです、

費用は5万両もあれば足りるでしょうと言うと、


なる程村を囲むのかと言うので、木曽川流域ではやっている処はありますよと言うと、よし、5万両位なら幕府が2万5千両、わしが2万5千両出せば良いなと言うと、それが賢明ですと言うと、

さすがに知恵者じあな、間部と白石を怒っているのかと聞くので、いや、あきれているだけです、よく調べもせずに色々政策を出してきます、考えが間違っている訳ではないのですが尻抜、

けなのですよ、


まあ経験がある訳ではないので、仕方なでしょうと言うと、そうか、ところで、もし今の上様がお隠れになった場合はそなたは時期将軍は誰が良いと思うかと聞くので、嫡子がいない場合、

は御三家で協議の上、決められれば良いですよ、老中や大奥が口を挟む事はではありませぬと言うと、そうすると、水戸が尾張、紀州のどちらを、選ぶかにかかってくる、訳じあなと言う、

ので、そうで御座りますと返事したのです、


助かったぞ、この礼は完成してからするぞと言うので、それでは失礼しますと屋敷を下がったのです、源三郎が下がると、隠れていた間部を呼び、聞いた通りじあと言うと、なる程輪中に、

御座いますか、最初から知っていたのですねと言うので、源三郎の事じあそなた達の顔を立てたのじあよ、総てを喋ればそなた達が老中でいる意味がないじあろうと言うので、そこで御座、

いますよ、


村上殿1人がいれば他の老中、参政は必要なくなります、そうなると村上殿が将軍になりますよと言うので、あ奴がそのような野心をもっているはずがない、出来れば老中も辞めたい位じ、

あろう、野心があるのはそなたと白石であろう、そなた達が幕政を専横しても良い政等出来る器ではないわ、源三郎をうまく使う事じあな、今の策で進めてくれと言うと、御座所を下がっ、

たのです、


間部は、まあ、上手くいけばわしの手柄じあから良しとしょうとほくそ笑んだのです、その頃宮本伊衛門は全国の道場を周り江戸に来ていたのです、江戸は懇意にしていた備後福山藩の、

江戸家老、安部監物の屋敷に逗留していたのです、備後福山藩の藩主は阿部正福で、幕府の老中であり安部監物はその一門である、伊衛門は江戸の道場を回り屋敷に戻ってくると、監物、

が堀内道場はどうであったかと聞くので、


中々の道場でござった、師範代と立会いましたがかろうじて勝ちもうしたと言うので、それは凄いではないですか、江戸でも有数の道場で御座ると言ったのです、殿が酒席に呼ぶように、

との事で御座る、何やら城で厭な事があったようで、ウサ晴らしをしたいとおうせであった、修行の旅の事等は話してもらうと有難いというので、老中ともなれば色々あるので御座ろう、

承知しましたと言って、


御座所について行き挨拶すると、おう伊衛門かよう来たまずは一献やれと言うと、腰元が酌をしたので飲み干したのです、まだ若いのになぜ隠居して再び修行等やる気になったのじあと、

聞くので、さる御仁簡単に打ち据えられたので御座います、自分のふがいなさを思い知り、修行をしなおす事にしたので御座いますと言ったのです、ほう、その相手は何処の誰じあと聞、

くので、


老中村上源三郎様に御座いますと言うので、なんと村上殿かそうか巡察の途中の事じあな、噂には聞いておるがそんなに強いのかと言うので、さすがは堀内道場の目録持ちでございます、

何とかもう一度立ち会いたいもので御座います、元気にしておられるでしょうかと聞くので、毎日出仕されているのではないが、すこぶる元気じあ、政も村上殿のお陰で何かと助かって、

おる、


知恵も相当なものだ、わし等は足元にもおよばぬ、間部殿に義理があり村上殿に同調するわけにはまいらぬがと酒を飲み干したのです、何やら城で厭な事があったみたいですなと聞くと、

幕府参政の新井白石めと経緯を話すと、そうで御座りますか、私も煮え湯を飲まされ申したと訳を話すと、それで村上殿と立ち会う事になったのか、ともかく白石は許せぬと言うと、

殿それがしにお任せくだされ、


江戸に来た目的の一つはその新井白石の首を上げる事に御座いますと言うので、奴を殺せばそなたも断罪されるぞと言うので、闇討ちいたすまで御座るこの話は聞かなかった事にしてくだ、

され、奴を生かしておけば多くの人が災難を被りますと言ったのです、そうか、忘れる事にしょう、ところで、村上殿に勝つ工夫は出来たのかと聞くので、厭どうしても解からないのです、

と言ったのです、


どんな剣なのじあと聞くので、秘剣村雨の話をすると、監物がなる程まさに秘剣に御座るな、相手を一瞬躊躇させて一分の隙をつく剣にござるかと言うので、何と申されたと伊衛門が聞く、

ので、一瞬の隙をつくともうしたがと言うので、それだ、そうか光を目に当てたのは一瞬の隙を作らせる為なのだ、何も光でなくても良いわけか、他に隙を作らせる手口は何通りでもある、

よくぞ申された、


これで謎がとけましたぞ、しかし、どうするのかは解かりませぬが考えてみますと言ったのです、正福が何の事かわからぬが、その歳になっても修行とは剣客とは解からぬものじあなと言、

うので、自分より強い者がいれば打ち負かしたいと思いが募るのです、剣も魔物にござります、それに取り付かれて一生修行するようになるのですが、村上様の剣は修行で見に付く物では、

ないのかも知れませぬ、


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