源三郎江戸日記(弟四部)64 もとよりみなは承知しておりますと言うので、わかった、お玉にその胸を言うて奉公させるが良いと言うと、有難う御座います、さつそくお玉の方様にお引き合わせしま


源三郎江戸日記(弟四部)64


もとよりみなは承知しておりますと言うので、わかった、お玉にその胸を言うて奉公させるが良いと言うと、有難う御座います、さつそくお玉の方様にお引き合わせしますと御座所を出て、

行ったのです、なる程わしの家にもくださらんかと言うので、嫡子がおるではないですかと言うと、たしか姫が2人いましたな、その内の1人を倅の嫁に貰いたいのじあがと言うので、

まだ15才に御座りますと言うと、


3年後で良いので御座る倅は21に御座れば26才と18才なので丁度良いと言うので、それはお互いを会わせてからにしましょう、照は小太刀を習ているようです、多分強い男でないと厭だと、

言うでしょうというと、倅は駒込の佐々木先生の門下生で新陰流の目録を貰ろうていますと言うので、それならば上手くいくでしょうと言うと、楽しみにしていますぞと言うので、こんど、

手合わせに屋敷に連れてまいりますと言ったのです、


それでは馳走になりましたと井上は帰っていったのです、金座から30万両の小判増産の話が両替商から巷にもれると、米の値段が下がり始め、他の物価も下がりはじめると、問屋が小売に、

大量に放出したのであっと言うまに3割りも下がったのです、町人は大喜びで、こぞって米びつ一杯の米を買い求めたのです、薩摩、松前藩など米があまり取れない藩はここぞとばかり米、

を買い備蓄したのです、


二月経つと半値まで下落して落ち着いたのです、しかし、大名、旗本、百姓は実収入が二ヶ月前の半分になり暮らしに困窮をきたしだしたのです、このままでは実収入が半分になるとして、

御三家をはじめとして庄屋が幕府の政策に不満をもち、御三家が老中詰問に乗り出したのです、まずは尾張宗春が何と言う事をするのじあ、これでは大名はことごとく破綻するではないか、

と新井と間部達老中に詰問したのです、


源三郎も呼ばれて御座所に行くと、新井が庶民は喜んでおります、物価が下がれば実入りが少なくなっても大名の暮らしも十分成り立つと思いますがと言うと、ばかを申せ、米だけ食うて、

生きているのではない、実収が減れば治世は上手くいくはずがないわ、徐々に下がるのならともかく、この2月で半値とは暴落ではないか、折角の財政改革も無になり、借財を増やせねば、

ならくなるのだぞと怒ると、


どうすればと聞くので、それを考えるのがそなた達幕閣であろうというと、間部がわかり申した早急に対策を立てますると言うと、この状態が秋の刈り入れまで続けば全員お役ごめんを、

提出しろと言うと、御座所を下がったのです、井上がだから反対したので御座る、新井殿どうするつもりじあと言うと、今が底値で御座るじきに上がり始め、元の値段に落ち着きます、

と言うので、


それ以上上がり続けたらどうするのじあと詰め寄ると、小判の鋳造をやめれば良いのですと言うので、またしても逃げ口上か、井上が間部殿、新井殿の幕府顧問をお役御免にしなされと、

詰め寄ると、まだ米の値段は上がってはいませぬ、通常価格に戻ると言う事なので様子をみましょうと言うので、源三郎が放置しておけば米は倍の値段まで上がりますぞ、途中で鋳造を、

やめても制御不可能に御座ると言うと、


新井がそはのような事は決してありえない事です、飢饉ではなく米が小売の蔵に一杯あるので暴落したのです、一月もすればその米もなくなり問屋から買うしかないので、通常に戻ります、

と言うので、そうは上手くいくまいというと、間部がここは様子をみましょうと言うと、そうそうに席を立ったのです、間部が新井を御用部屋に連れ込み、本当に大丈夫だろうなと聞くと、

二倍になっても、


直ぐに下落して元の値段に戻ります、暫くの辛抱ですと言うので、それでは二倍になるのかと聞くと、少しの間だけですと言うので、そなたは何と無責任なと言うと、いつでもお役ごめん、

になりますと言うと部屋を出て行ったのです、またしても、たばかりおったのか、まったく何と言う奴だ、このままではわしの首も危ないな、いざとなれば源三郎の知恵をかりるしかない、

かと言ったのです、


御座所では井上が井伊と安部にどうされるお積りでと言うと、間部殿におまかせするしかありませぬと席を立ち出て行ったのです、まったく、無責任な連中めと怒るので、予測通りに御座、

る、まあ打つ手はあるので御座れば落ち着きなされと言うと、しかし、腹が立ちますると言うので、それではここで米を買いましょうさすれば最高値になった時放出すれば、世の為にな、

り儲かりますよと言うと、


そんな事をやっても良いので御座るかと言うので、儲かった金で高値の米を買い安くでうれば良いではないですかと言うと、なる程しかし我が藩には余裕がないと言うので、借りれば良い、

のです、それがしと、一緒に玄海屋に行きましょう融通してくれますと言うと籠は返して質素なみなりに着替え船で、つれだって深川の玄海屋に行き、七衛門にわしに1万両、井上殿に1万、

両用立てして米を買って、蔵に仕舞っておいてくれ、


利息は月100両払うぞと言うと、50両でいいですよと言うので、証文をいれて頼み、最高値になったら、通常価格で一気に放出しろ、直ぐに売り切れるぞ、さすれば下落を、始めるじあろう、

問屋はたまらず価格を落として売るはずじあと言うと、承知しました、わたくしも1万両分買い足しておきます、都合3万両分ですから、約6万石分となります、各地の蔵に仕舞っておきます、

と言ったのです、


井上に利息は秋の取り入れまでに400両です、1万両が秋には2万両になり、1万両の儲けになります、これで最高値の米を買い通常価格より少し高く売りにだせば飛ぶように売れます、おそ、

らく8千両は損するでしょうが、差し引き1600両は儲かります、世の中の助けになり儲かるのです、間部達は文句は言えませんと言うと、なる程素晴らしい奇策に御座いますな、これで、

気が晴れます、


奴らの言い訳をききますかと言うので、連れ立って居酒屋に行くと、おみよがいらっしゃいと言うので、盟友の井上殿じあと言うと、源三郎様の金づるでと聞くので、そうじあよ、ここの、

払いは頼みますと言うと、まかしてくだされ、しかし始めて、入りますと言うので、いつもの奴と頼むとハイ返事して、いわしの丸焼きと酒を持って来て酌をするのでハイを重ねたのです、


これはいわしです武家は食さないそうですが、美味いですよ小骨が多いので気をつけなされと言うと、食べてほう美味いですな、秋に食うサンマとおなじですな、この魚はいつでも取れる、

のですかと言うので、そうですよ、光物は頭が良くなるのですと言うと、それで村上殿は知恵が回るのですなと言うので、少し考えれば、誰にもわかる事をやっているだけですよと言うと、

それを中々気づかないのですと笑ったのです、


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