源三郎江戸日記(弟四部)44 落ち着いたら城下に住まい、わしの後見をせよと言うと、もったいないお言葉に御座います、一茂様を抑える事が出来ず申し訳ありませぬと言ったのです、それでは引き


源三郎江戸日記(弟四部)44


落ち着いたら城下に住まい、わしの後見をせよと言うと、もったいないお言葉に御座います、一茂様を抑える事が出来ず申し訳ありませぬと言ったのです、それでは引き上げる、燐之助、

復縁して妻子を呼び寄せるが良いと言うと、城を出て佐賀城下に向かったのです、城下に着くと、ここでお別れで御座る、一門もおとなしくなるでしょう、大砲は進呈する、花火筒なれ、

ば幕府は咎めませぬと言うと、


なる程脅かすのには最適で御座るな、世話になり申した、何かあれば何なりとお申し付けくだされ、ご老中には終生お味方申しますと言ったのです、吉茂と別れて居酒屋に入り祝杯を挙、

げたのです、飛猿が殿いっそのとこ六尺玉に炸裂弾の火薬をいれれば、簡単に大手門など破壊できますがと言うので、それをやると本物の大砲になる、いつでも転用できるだけで良いの、

じあよ、


あくまでも脅かす為の武器なのじあと言うと、なる程そうですかといったのです、山形が本当に大砲の弾で、大手門は木っ端微塵になったと、震えあがったでしょうと、それで良いのじ、

あよ、あまり怪我人がでると恨みが残るであろうと言うと、そうですねとみんなが頷いたのです、後は長崎によって新井が言った、金銀の流出を止めるために交易を制限しているのを、

金銀が流出しない交易方法を指南しょうと言うと、


七衛門がどうするのですかと聞くので、南蛮から物を買うのに我が国の金銀で支払うのを止めて、南蛮の洋銀で払えば良いのじあというと、その洋銀をどうやって手にいれるのですかと、

聞くので、今は我が国の通過で交易するか物々交換しておるのが現状じあ、物を売ったものが洋銀でもらい、それを両替商が我が国の通貨に両替するようする、南蛮から物を買う場合は、

洋銀に変えて払えば良い、


これは売るのと買うのがほぼ同じでないと金が回らなくなるので、なんとしても売るのを増産しなければならぬ、琉球の商人を大きくして盛んに国産品を売ってもらい洋銀を手に入れ、

それを玄海屋が国内通貨に両替する、又長崎の近郊百姓に牛、豚の殖産を増産して南蛮に売り込んで洋銀を手にいれて両替する、実は南蛮人が小判を欲しがるのは、我が国では小判、

1枚で2分銀4枚の交換じあが、


メキシコでは小判1枚が洋銀8枚と交換されているそうじあ、我が国より倍の価値があると言う事なので、小判を欲しがり外国に流出すると言うわけじあが、いまさら同じにするには、

銀貨の銀の含有量を減らすか小判の金の含有量を減らすしかない、これをやれば我が国の通貨は暴落して大変な事になるので出来ないわけじあ、今回慶長の小判と同じに金の含有量、

を増やすなんぞをやったものじあから、


その差が広がって益々流出する事になり、新井が交易の制限を言い出したのじあよと言うと、やはり、学者は机上論で色々細工しょうとするのですねと言うので、上様が裁可された事、

じあから、簡単には変える事はできぬ、新井の発想は認めるが尻抜けなのじあよ、金銀流失を防ぐのが幕府の方針じあから、洋銀取引は方針に合うわけじあよ、カピタンに協力して、

貰ってそうすれば、


交易を主体とした南蛮、シナ人はよろこぶのだよ、小判を手にいれなくても物を買う事ができ、売って洋銀を手にいれられる、便利になるのじあから文句は言わぬじあろう、我が国、

の通貨ではないので、洋銀8枚と小判1枚を交換しても問題ないわけだ、又洋銀は我が国では通用しないので国内の2分銀とは比べる必要がないと言う事じあなと言うと、なる程長崎、

に外国の両替商がいると言う事ですねと言うので、


これならば交易を制限する必要もなく、さらに、琉球が我が国にとって大事な場所になるわけだ、琉球も豚、牛の殖産をさかんにすれば良い、ついでに陶磁器、ガラス製品、絹も増産、

して外国に売れば良いと言うと、禁止すると小判の密貿易が増えますねと言うので、これは防げぬなあ、その分は金の増産をするしかないわけじあよと言ったのです、これからは外国、

との通貨の交換比率も良く考えないとまずいですねと言うので、


金の通貨はなくし紙幣にすれば良いのじあが、外国がそうなっていないとうまくはいかんじあろうと言ったのです、ともかく手始めは洋銀で貰っても国内の通貨に換えられる場所が、

あれば良いわけじあ、さすればだれも困らぬじあろうと言うと、承知しましたと言うので、源蔵に頼んで洋銀を1万両分手にいれてもらおう、蝦夷の物産と交換すれば手にいれられ、

るじあろう、


まだ没収した金が2万両近くある、これが流出しても影響はないが、知れれば袋叩きになるからなと笑ったのです、しかし、殿は何を考えつくかわかりませんなあと皆が笑ったのです、

いつも馬鹿な奴の尻ぬぐいをさせられるのさ、家宣様はそう思っているのじあよ、子飼いは新井と間部しかおらぬから、奴らに頼るしかないわれじあ、たしかに他の重臣よりはまし、

じあからのうと言ったのです、


どうして殿だけに頼られぬのですかと聞くとので、色んな事を思いつくので、反面恐ろしいと思うておられるのじあよ、総てわしの言う事を聞いたら将軍の面子がなくなるじあろう、

じから、わしは付録の役目と言うわけじあ、あの黒田官兵衛は秀吉公に天下を取らせたと言っても過言ではないが、天下を取った秀吉公は豊前の国に10万石を与えただけじあ、他の、

者は、


それよりも大きな石高で優遇しておると言うと、山形がしかし今は筑前60万石ではないですかと言うので、息子の長政殿は凡庸なので家康公は大大名にしても大丈夫と思われたのじあ、

よ、切れ者の伊達殿は関が原から総て家康公の味方をしたのに石高は全然増えていない、増えたのは側室の息子に宇和島10万石を与えただけじあ、わざと遠いところに知行地を与えた、

のは、


伊達家の力をそぐためじあよ、知恵のあるものは平穏時には邪魔になる訳じあなと笑うと、沢山働かせられて損な役割ですねと言うので、その損な役割の者についてきて、損な役割を、

しているのはそなた達じあろうというと、いや、みな殿についていくのは楽しいのですよと言うので、それは、世の中の正しい事をやっているという自負心があるからじあよと言うと、


殿についていると危険と思わないから不思議ですよと山形が言うので、そなた達は本当に役に立つからのうと言うと、そうやって褒め上手も大したものですよとみんなが杯を重ねた、

のです、その頃吉茂の御座所には2人の一門が嫡子を連れて出頭したので、領地召し上げ1000石にて取り立てる、一門は城下に住むのだ、家臣は総て同じ家禄で本家の家臣とする、

異存あるかと言うと、


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