源三郎江戸日記(弟四部)37 日田屋お前が横流しの金を郡代と分けている事は発覚しておる、不正に儲けた金は蔵の地下に隠していることも分かっておる、博打場はお前が堂本じあ、身代わりは通用


源三郎江戸日記(弟四部)37


日田屋お前が横流しの金を郡代と分けている事は発覚しておる、不正に儲けた金は蔵の地下に隠していることも分かっておる、博打場はお前が堂本じあ、身代わりは通用せん、おまえも、

打ち首じあと一気に振り下ろすと同じく気を失って前に倒れたのです、後ろからカツを入れると息を吹き返して、ブルブル震えています、耳元を掠めただけじあ、今のは脅かしだが次は、

首が落ちるぞと言うと、


2人が命だけはお助けくださいと言うので、そこの同心この2人に縄をうち引き立てろと言うと、ハハハッと言って縄を打つたのです、みんなを立たせて山を下りて陣屋に戻り、白州に、

座らせて、縄を解き郡代、隠している金を出すのじあと言うと、陣屋の物置から2千両をもって来たので、蔵に入れさせ、日田屋に地下の金を総て持ってこらせよと言うと、鍵を渡した、

ので、


同心達にに取りに行かせて持ってこらせ、このうち1万両は両替屋に運び込み、預かり書を持ってこい、残りの1万両は蔵にいれよ、これで2万4千両じあな、2万両は幕府に納めよ直ちに、

江戸に運び勘定奉行に引き渡せ、1万両は材木の代金で1万両は日田屋の寄進とする、4千両は郡代に下げ渡すので山の整備、特に植林していない場所を植林するのに使うのじあ、今回は、

目を瞑ってやるが、


次回又巡察にくるぞ、そのときは目こぼしはせんぞ、わかったかと言うと、恐れ入ります、二度と横流しはしませんと言うので、博打場はつづけよ、但しイカサマはいかん、日田屋は、

女郎屋、料理屋等に蓄えはあるじあろうが、それは目こぼししてやる、女郎は年季が明けたら解放しろ、残るものは折半にするのじあ、又月30両の寄進はいままで通り渡すのじあと言、

うと、


承知しました、いいつけは守ります、と言うので解放したのです、郡代明日には江戸に出立するのじあ、これに仔細はしたためた、勘定奉行に渡すのじあ、お前の不正は書いておらぬ、

江戸の家族に会って来い、御用金は博多に運び、玄海屋の船に載せろ、江戸には4日で着く高速船じあ、江戸で1月過ごし、又ここに戻って来て、治世に励めと言って、路銀と土産代は、

日田屋から貰ろうたのを使えというと、


承知しました、ここは与力にまかせて、明日出立しますと言ったのです、これは博多の玄海屋への書状です便宜を図ってくれますと七衛門が書状を渡したのです、与力は旗本かと聞く、

とそうです、早田新八と申しますと言うので、こんごは郡代を諌めよ、聞かない場合はわしに知らせよ、そなたは目付けを命じる、役料として毎月5両を支給せよ、島田屋と木田屋に、

は10両づつ寄進させる、


それにて毎月40両となり年間480両じあ、これは陣屋の者共の為に使うのじあ、何に使ってもよいぞ、郡代だけの懐にいれてはいかんと言うと、各田が承知いたしました、早田もたまに、

は江戸に戻しますといったのです、それでは島田屋と木田屋を呼べと言うと同心が呼んで来たので、日田屋、島田屋、木田屋は地元の商人なので、特に20本を入れ札なしで買う権利を、

与える、


但し毎月5両づつ郡代に納めよというと、承知いたしました、そうしていただけば良い木が手に入りますと喜んだのです、それでは帰っても良いぞと言うと、二人は帰っていったのです、

これで天領の巡察は終わりじあ、各田、早田、後は頼むぞと言うと、承知いたしましたと言うので、陣屋を出て中津江村に向かったのです、2時で着いたので厳島神社に行くと、喜助、

が出て来て、


二月もあれば立派になりますと言うので、庄屋を呼んでくれと言うと、庄屋が来たので諸国巡察視の村上源三郎じあ、ここの拝殿から地下に降りる道があるじあろうというと、ハイ、

しかし、中に入って出て来たものはいません、中には獣が住んでいますと言うので、それは金を守っているのじあろうというと、何があるかは誰も知りませんと言うので、これから、

わしが入って確かめてくると言うと、


やめられた方が良いと思いまいがと言って、こま神社の立替費用を出してくださるそうで、ありがとう御座います、今夜は私の家に逗留してくだされと言うので、そうか、厄介になろ、

うと言って、銀二に支度しろと言うと、ハイと言うと、道具を肩に担いで良いですよと言うので、松明を照らして拝殿に入り、くさびを探して、みんなはここで待っていろというと、

くさびを抜くと紐がついており、


引っ張ると横に戸が回転したのです、胸に水晶をぶら下げて、階段を降りると胸の水晶が光ったので松明は足で踏んで消したのです、先に何かいるようです用心しながら歩いていくと、

一匹の狼が座っています、襲う気配はありません、近づいて頭をなでると、くお~んと言って手を舐めて、向きを変えて歩き出したので、着いて行くと右に小川が流れており水は鍾乳、

石の下に潜っています、


全体は鍾乳洞みたいで、人が手で掘ったものではないようです、何かがキラリと小川で光っているので、銀二が砂金ですよとザルを入れてすくい、横にずらして振ると金の粒が沢山入っ、

ています、愕いた金の粒が沢山ありますよ、この先に金鉱脈がありそこから長年水で侵食されて出てくるのですよと言うので、さらに歩いていくと小川は前の岩盤から流れています、

銀二が、


この黒い層が金鉱脈ですと言うと、ノミで岩を割りかけらを、皿の底に擦りつけると、金が付着したので、間違いなく金の層です、これは黒川金山よりも量は多い、優良鉱脈ですよと言、

ったのです、伝説は本当だったんだと言うと、奥の方に若武者が現れたので、そなたはと聞くと、銀二が何も見えませんがと言うので、わしには見えるのじあよと言うと、平の敦盛じあ、


一の谷で首を取られたがわたしの兄弟はここに逃れたのじあ、平家再興を代々願っておったが、それはかなわず子孫が来るのを待っておったのじあ、その水晶は我が家の宝物じあ、そな、

たはわしの子孫かと聞くので、いや、そなたの子孫は肥後に住んでいる、その者からこれを預かったのじあと言うと、そうか、まだ続いていたかと言うので、何故成仏できぬのじあと、

言うと、


この世に未練があったので三途の川を渡れず岩山にさまよっていたが、その水晶玉を見て、子孫が続いている事がわかり、これで黄泉の国にいけるぞ、そこの狼はわたしが乗り移って、

ここを守って来たのじあ、ここの金はそなたが人の為に使うと良い、右に行くと金山の中腹の岩山に出れると言うと、さらばじあ、この狼は二度とここには戻らぬというと狼に乗り右、

の闇に消えたのです、


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